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AWS認定ソリューションアーキテクト – プロフェッショナル(SAP-C02)の勉強方法と試験対策

最終更新:2026-08-03

SAP-C02はどんな試験か

AWS認定ソリューションアーキテクト – プロフェッショナル(AWS Certified Solutions Architect - Professional、試験コードSAP-C02)は、AWS上の設計スキルを問う認定の最上位に位置づけられる試験です。公式試験ガイドは、AWS Well-Architected Frameworkにもとづいて最適化されたAWSソリューションを設計する、高度な技術スキルと経験を検証する試験だと説明しています。

公式が挙げる検証対象は次の4つで、そのまま出題ドメインの構成にもなっています。

この並びを見ると、SAP-C02が単なる「SAAの難しい版」ではないことが分かります。SAAが1つのシステムを設計する試験だとすれば、SAP-C02は複数アカウント・複数拠点にまたがる組織全体を相手にする試験です。すでに動いているシステムをどう改善するか、オンプレミスの資産をどう移行するかという、設計の前後にある工程まで守備範囲に入ってきます。

逆に、対象者に求められない範囲も公式試験ガイドに明記されています。モバイルアプリのフロントエンド開発、12ファクターアプリの方法論、OSの詳細な知識の3点です。深追いする必要のない領域が分かるという意味で、学習範囲の外周を引くのに役立ちます。

SAAとの違い — どこで難易度が跳ね上がるか

SAAとSAP-C02は同じ「ソリューションアーキテクト」の名を持ちますが、問われ方は大きく変わります。

読解量の増加は数字にも表れます。SAAが65問・130分(1問2分)なのに対し、SAP-C02は75問・180分で1問あたり平均144秒。1問に使える時間は増えているのに、多くの受験者が時間に追われるのは、設問と選択肢の文章量がそれ以上に増えるためです。

試験の基本情報

項目内容
正式名称AWS Certified Solutions Architect - Professional(SAP-C02)
実施団体Amazon Web Services
レベルプロフェッショナル
受験料300 USD(円建て価格は為替により変動するため公式の料金ページで要確認)
問題数75問(うち採点対象65問、採点対象外10問。どれが採点対象かは試験中に判別できません)
制限時間180分
合格ライン100〜1,000のスケールドスコアで750以上
出題形式択一選択(正解1・誤答3)と複数選択(5つ以上の選択肢から正解2つ以上)。複数選択はすべての正解を選んで初めて得点(部分点なし)
受験方式テストセンター(ピアソンVUE)またはオンライン監督付き試験
言語英語・日本語・韓国語・ポルトガル語(ブラジル)・中国語(簡体字)・スペイン語(ラテンアメリカ)
有効期限3年間
推奨経験AWSサービスを使ってクラウドソリューションを設計・実装した2年以上の経験
前提資格なし(推奨経験はあるが受験要件ではない)

採点方式では3点を押さえておきましょう。ひとつはスケールドスコアで、750点は正答率75%を意味するものではなく、フォームごとの難易度差を補正した換算点です。ふたつめは補償的スコアリングモデルで、ドメインごとに合格ラインを超える必要はなく、試験全体で750に届けば合格します。みっつめは無回答が不正解として扱われ、推測によるペナルティはないことで、分からない問題も必ず何かを選んでおくべきということになります。

受験時の細かい仕様として、AWS認定は読解負荷を下げるため、括弧付きの正式名称を持つ主要サービスを公式の短縮名で表記しています(例:Amazon Simple Notification Service → Amazon SNS)。短縮名と正式名称の対応表は、試験中すべての設問で使えるヘルプ機能から参照できます。

もうひとつ、SAP-C02の試験ガイドには「新たなトピック(Emerging Topics)」という独立した項目があります。生成AIサービスのコンテンツフィルタリングとコンプライアンス制御(Amazon Bedrock Guardrailsなど)、生成AI・エージェント型AIアプリケーションのアクセス制御(AgentCore Identityなど)、AI操作の承認を含む人間による監督ワークフロー(AWS Step Functionsなど)が挙げられています。ただしAWSはこれらの設問はプレテスト問題として出題される場合があり、スコアには影響しないと明記しています。学習の優先度としては後回しで構いませんが、見慣れない生成AI系の設問が出ても動揺しないための予備知識としては知っておく価値があります。

上記は2026年8月時点の情報です。最新の情報は公式サイトでご確認ください。受験料・提供言語・出題範囲・ポリシーは変更される場合があります。詳細は公式のSAP認定ページ、出題範囲の一次情報は公式試験ガイド(HTML版)、受験前後のポリシーは受験前ポリシー受験後ポリシーをご参照ください。再受験の待機期間や合格後の再受験制限といった条件も、公式ポリシーで最新の内容をご確認ください。

出題範囲

出題範囲は次の4ドメインに分かれ、採点対象コンテンツに占める配分が公式試験ガイドで定められています。配分の偏りが小さいのがSAP-C02の特徴で、最大29%・最小20%と差が9ポイントしかありません。どこか1ドメインを捨てて合格するのは現実的ではなく、全ドメインを一定水準まで引き上げる学習計画が必要になります。

組織の複雑さに対応する設計(Design Solutions for Organizational Complexity・26%)

SAP-C02を最もSAP-C02らしくしているドメインです。5つのタスクで構成され、ネットワーク接続戦略の設計(VPC間接続、Direct ConnectとVPN、推移的ルーティング、ハイブリッドDNSとRoute 53 Resolver、ネットワークセグメンテーション)、セキュリティ制御の規定(IAMとIAM Identity Center、KMSとACM、CloudTrail・IAM Access Analyzer・Security Hub・Inspectorによる集中的なセキュリティイベント通知と監査)、信頼性と回復力の設計(RTO/RPO、Elastic Disaster Recovery、パイロットライト・ウォームスタンバイ・マルチサイト)、マルチアカウント環境の設計(Organizations、Control Tower、アカウント間のリソース共有、集中ログ、マルチアカウントガバナンスモデル)、コスト最適化と可視化(Cost Explorer、Budgets、Trusted Advisor、Pricing Calculator、Compute Optimizer、S3 Storage Lens、購入オプション、タグ付け戦略)が対象です。

実務でシングルアカウント運用しか経験していない場合、ここが最大の弱点になりやすい領域です。OrganizationsのOU設計とSCP、IAM Identity Centerによる権限セット、クロスアカウントロールの使い分けは、手を動かして理解しておく価値があります。

新しいソリューションのための設計(Design for New Solutions・29%)

最大配分のドメインで、6つのタスクに分かれます。デプロイ戦略(CloudFormationによるIaC、CI/CD、Systems Managerによる構成管理、ロールバック機構)、事業継続性(DRシナリオ、データとデータベースのレプリケーション、DRテストの実施)、要件にもとづくセキュリティ制御(最小権限のIAM設計、Shield・WAF・GuardDuty・Security Hub、大規模Webアプリケーションの攻撃緩和、パッチ管理)、信頼性(マルチAZ/マルチリージョン、Auto Scaling、SNS・SQS・Step Functionsによる疎結合化、サービスクォータと制限)、パフォーマンス(アクセスパターンに応じた大規模設計、キャッシュ・バッファリング・レプリカ、目的別データベースの選定、ライトサイジング)、コスト最適化(購入オプション、ストレージ階層化、データ転送コストのモデリング)が含まれます。

SAAの延長線上にある内容が多いドメインですが、サービスクォータとデータ転送コストはSAAではあまり問われない論点です。設問の制約条件として「同時実行数の上限」「リージョン間データ転送料金」が効いてくるケースがあるため、意識して押さえておきましょう。

既存ソリューションの継続的な改善(Continuous Improvement for Existing Solutions・25%)

すでに動いている環境の改善提案を問う、SAAにはなかったドメインです。5つのタスクは運用上の優秀性・セキュリティ・パフォーマンス・信頼性・コスト最適化と、Well-Architected Frameworkの柱にほぼ対応しています。アラートと自動修復、CloudWatchによる監視とログ、ブルー/グリーンやローリングといったデプロイ戦略、AWS Configルールによる自動修復、Secrets Managerによるシークレット管理、最小権限の監査、Global AcceleratorやCloudFrontによるグローバル配信の改善、単一障害点の除去、Cost and Usage Reportsの詳細分析といった論点が並びます。

このドメインの設問は「現状のどこが問題か」を見抜くところから始まります。既存構成の説明を読み、ボトルネックや単一障害点を特定したうえで、最小の変更で要件を満たす改善策を選ぶ——という二段構えになるため、体感的な難易度が高い領域です。

ワークロードの移行とモダナイゼーションの加速(Accelerate Workload Migration and Modernization・20%)

配分は最小ですが、実務経験の有無が最も露骨に出るドメインです。移行候補の選定(Migration Hub、ポートフォリオ評価、ウェーブプランニング、7Rによる移行戦略の評価、TCO評価)、最適な移行手法の決定(DataSync・Transfer Family・Snow Family・S3 Transfer Accelerationといったデータ移行、Application Discovery ServiceとApplication Migration Service、DMSとSCTによるデータベース移行)、既存ワークロードの新アーキテクチャ決定(コンピューティング/コンテナ/ストレージ/データベースの選定)、モダナイゼーションの機会特定(Lambdaによるサーバーレス化、ECS・EKS・Fargate、目的別データベース、SQS・SNS・EventBridge・Step Functionsによる疎結合化)が対象です。

まず押さえるべきは7R(Retire/Retain/Rehost/Relocate/Repurchase/Replatform/Refactor)です。設問は「移行期限が短い」「アプリケーションを変更できない」といった制約から、どのRを選ぶべきかを問う形になります。あわせて、データ移行サービスの選択軸(回線帯域・データ量・移行期限・オフライン可否)を整理しておくと、Snow FamilyとDataSyncの切り分けで迷わなくなります。

長文シナリオ問題の読み方

SAP-C02で最も差がつくのが、長文シナリオへの対処です。設問が数段落に及び、選択肢も1つあたり数行ということが珍しくありません。読み方を決めずに頭から読むと、選択肢に着く頃には要件を忘れています。次の手順が有効です。

要件キーワード典型的な解法パターン
複数アカウントに一律の制限をかけたいOrganizationsのSCP。IAMポリシーを全アカウントに配るのは運用上の誤答パターン
新規アカウントの払い出しを標準化したいControl Tower(Account Factory)。CloudFormation StackSetsは既存アカウントへの展開手段
アプリケーションを変更せずにDBを移行したいDMSで同種移行。異種移行はSCTと組み合わせる。ライセンス費用削減が要件ならAurora互換への移行
回線が細く、データ量がペタバイト級Snow Family。回線に余裕があり継続同期が必要ならDataSync
オンプレミスの名前解決を維持したいRoute 53 Resolverのインバウンド/アウトバウンドエンドポイント
多数のVPCとオンプレミスを相互接続したいTransit Gateway。VPCピアリングは推移的ルーティングができない点が判断の分かれ目
RPOをほぼゼロにしたい継続的レプリケーション(Aurora Global Database、Elastic Disaster Recovery)。スナップショットのコピーでは満たせない
コストを抑えつつDRを用意したいパイロットライトまたはバックアップ&リストア。ウォームスタンバイ・マルチサイトはRTO要件が厳しい場合に限る
データ転送料金を抑えたい転送そのものを減らす設計(キャッシュ、圧縮、処理をデータの近くへ寄せる)。同一リージョン内のAWSサービス宛通信はVPCエンドポイント経由にしてNAT Gateway経由の処理料金を回避

典型的なひっかけは、技術的には正しいが制約のどれか1つを満たさない選択肢です。移行期限が明示されているのにリファクタリングを選ぶ、運用オーバーヘッド最小が要件なのにEC2上への自前構築を選ぶ、といった失点が起きやすいので注意してください。

勉強法・学習ロードマップ

SAP-C02は範囲が広く、暗記だけでは届かない試験です。試験ガイドで穴を特定し、一次情報で埋め、演習で判断力に変えるという順序が効率的です。

ステップ1:公式試験ガイドで自分の穴を特定する

最初に公式試験ガイド(HTML版)を通読します。SAP-C02のガイドは各タスクに「Knowledge of(知識)」と「Skills in(スキル)」が具体的なサービス名つきで列挙されており、そのまま学習チェックリストとして使えます。あわせて「In-Scope AWS Services」「Out-of-Scope AWS Services」の一覧に目を通し、範囲の外周を引いておきましょう。

なお、AWS試験ガイドを参照する際はHTML版を見ることをおすすめします。配布サイトによっては旧版のPDFが配信され続けている場合があり、改訂内容を取りこぼす原因になります。

ステップ2:Well-Architected Frameworkを評価軸として読む

公式試験ガイドは、この試験がWell-Architected Frameworkにもとづく設計能力を検証すると明記しています。ドメイン3の5つのタスクがほぼそのまま柱に対応していることからも、優先度の高さが分かります。サービスの知識としてではなく、「どの柱を優先するとどの選択肢が正解になるか」という評価軸として読み直してください。

ステップ3:苦手ドメインを手を動かして埋める

SAP-C02は実務で扱ったことのない領域が明確に失点になる試験です。実務経験の偏りは誰にでもあるため、触れていない領域を意図的に潰します。特に次の3つは、経験がないまま文章だけで理解しようとすると最後まで曖昧に残ります。

検証環境は費用が発生しやすい領域を含みます。Transit GatewayやDirect Connect関連リソースは時間単位の課金があるため、検証後は必ず削除してください

ステップ4:問題演習で「選べる形」に変える

ドキュメントを読んで分かったつもりでも、動作する選択肢を4つ並べられると選べない——資格学習で最も起きやすいギャップで、選択肢がいずれも数行の説明文になるプロフェッショナルレベルでは特に顕著です。範囲を一巡した直後から演習に入り、正答率よりも間違えた問題について「なぜ他の選択肢が制約を満たさないのか」を説明できるようにすることを重視してください。解説が正解の理由しか書いていない教材では、この力は身につきません。

トキヌクでもSAP-C02向けの日本語オリジナル問題を200問(本番同様の複数選択問題を20問含む)提供しており、うち30問は無料のサンプル問題として登録なしで解説まで読めます(問題集の詳細はこちら)。本番と同じ75問・180分の模擬試験モードも用意しています。全問オリジナル作成で本試験問題の流用(ブレインダンプ)は一切行っていません。有料の期間パスは1試験あたり1,500円/30日で、自動更新はありません。演習教材を選ぶ際は、実試験の問題を流用していないことと、誤答選択肢にも解説があることを基準にすると選びやすくなります。

ステップ5:仕上げ(直前2〜3週間)

本番と同じ75問・180分で通しの模擬演習を行います。SAP-C02では知識よりも3時間集中して長文を読み続ける持久力が課題になりやすく、これは通し演習でしか鍛えられません。時間切れが起きる場合は、1問144秒を目安に、迷った問題へ見直しフラグを立てて先へ進む運用を体に入れておきましょう。

合格ラインに届かない場合は、ドメイン別の正答率を見て落ちているドメインだけを重点復習してください。配分の差が小さい試験のため、全体を薄く回すより、弱いドメインを1つずつ引き上げるほうが総合点は伸びます。あわせて、テストセンター受験なら会場と持ち物、オンライン監督付き受験なら有効な写真付き身分証明書・安定した回線・机上に物を置かない環境も準備しておきましょう。

よくある質問

SAAに合格してからSAPを受けるべきですか?

AWS認定に前提資格の要件はないため、SAAを持っていなくてもSAP-C02を受験できます。ただし公式試験ガイドは対象者を「AWSサービスを使ってクラウドソリューションを設計・実装した2年以上の経験を持つ人」と定めており、この経験値が実質的な難易度を決めます。資格の順序そのものより、複数アカウント環境やオンプレミスとのハイブリッド接続、移行案件に触れた経験があるかどうかが分かれ目になります。

SAP-C02は日本語で受験できますか?

日本語で受験できます。公式サイトによると、提供言語は英語・日本語・韓国語・ポルトガル語(ブラジル)・中国語(簡体字)・スペイン語(ラテンアメリカ)です。受験方式はPearson VUEのテストセンターとオンライン監督付き試験の両方が選べます。提供言語や監督付き試験の対応時間帯は変更される場合があるため、申込時に公式サイトでご確認ください。

合格ラインの750点は正答率75%という意味ですか?

いいえ。SAP-C02の結果は100〜1,000のスケールドスコアで報告され、最小合格スコアは750です。これは試験フォームごとの難易度差を補正した換算点のため、正答率75%と一致するとは限りません。また75問のうち採点対象は65問で、残り10問は採点されず、どれが採点対象かは受験中に分かりません。公式試験ガイドは補償的スコアリングモデルを採用すると明記しており、分野ごとの足切りはなく試験全体で750に届けば合格です。

SAP-C02の学習時間の目安はどれくらいですか?

AWS公式は目安時間を公表していません。SAA合格済みで実務経験が2年前後ある方でも、範囲の広さと設問の長さから相応の期間を見込む必要があります。個人差が非常に大きい試験のため、期間で区切るより「本番と同じ75問・180分の通し演習で安定して合格ラインを超えているか」を受験時期の判断材料にすることをおすすめします。

SAP-C03に改訂されたという情報を見かけましたが本当ですか?

2026年8月時点で、AWS公式の認定ページおよび公式試験ガイド(HTML版)はいずれも試験コードをSAP-C02としており、後継バージョンの提供は確認できません。改訂を報じる非公式サイトの情報には裏付けのないものが含まれるため、鵜呑みにしないでください。なおAWSは試験コードを変えずに試験ガイドの内容を改訂する場合があります。受験前には必ず公式の試験ガイドで最新の出題範囲をご確認ください。

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本記事は学習の参考情報であり、合格を保証するものではありません。試験の仕様(受験料・出題範囲等)は変更されることがあります。必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。本サービスは非公式の学習教材であり、各認定団体とは提携・承認・後援関係にありません。試験名は各団体の商標または登録商標です。
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