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AWS SAP サンプル問題

AWS Certified Solutions Architect - Professional(AWS SAP)対策のオリジナル問題50問を無料公開。アプリの無料枠と同じ問題で、全200問収録のAWS SAP問題集から抜粋しています。「答えと解説を見る」を開くと、正解だけでなく全選択肢の解説を読めます。

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組織の複雑さに対応する設計

マルチアカウント/Organizations

Q1. ある企業は複数事業部のワークロードをAWS Organizationsで統合し、承認外リージョンでのリソース作成を禁止するSCPを組織ルートにアタッチしました。メンバーアカウントでは意図どおり拒否されますが、管理アカウントで起動したEC2インスタンスだけは承認外リージョンでも作成できてしまいます。管理アカウントには社内DNSとログ集約基盤という共有サービスの本番ワークロードが残っており、監査部門からは例外のない統制を求められています。すべてのワークロードに一貫してガードレールを効かせるために最も適切な対応はどれですか。

  1. A. 組織ルートではなく、各OUに同じSCPを個別にアタッチし直す
  2. B. 管理アカウントのIAMユーザーとロールに、同じ内容の許可境界を設定する
  3. C. 管理アカウントの共有サービスワークロードを専用のメンバーアカウントへ移し、そのアカウントをOU配下で管理する
  4. D. 管理アカウントをワークロード用のOUへ移動し、SCPの評価対象に含める
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正解:C

A SCPが管理アカウントに効かないのはアタッチ先の問題ではない。どの階層にアタッチしても管理アカウントは評価対象外のままであり、症状は変わらない。

B 許可境界はプリンシパル単位のため新規作成分への適用漏れが起きるうえ、ルートユーザーには適用できない。アカウント全体の恒久的な上限にはならない。

C(正解) 正解。SCPは組織の管理アカウントには一切適用されない仕様であり、設定では変えられない。管理アカウントは請求と組織管理に用途を限定し、ワークロードはメンバーアカウントへ移すのが原則である。

D 管理アカウントはOUに配置してもSCPの対象外である。そもそも管理アカウントを他のOUへ移す運用は統制上も推奨されない。

マルチアカウント/Organizations

Q2. 事業部ごとにOUを分けて運用している企業が、本番環境と非本番環境で異なるガードレールを適用したいと考えています。本番ではEBSとRDSの暗号化および特定インスタンスファミリーの必須化が、非本番では想定外の請求を避けるためGPUインスタンスの禁止が必要です。事業部ごとに定めた既存の統制はそのまま維持しなければならず、今後も事業部とアカウントは増え続ける見込みです。環境ごとの差分を最小の管理コストで表現する設計はどれですか。

  1. A. 各事業部OUの配下にProd/NonProdの子OUを作り、環境固有のSCPを子OUにアタッチする
  2. B. 事業部OUを廃止して環境別OUに再編し、事業部の区別はアカウントのタグで表現する
  3. C. OU階層は変えず、アカウントごとに事業部用SCPと環境用SCPを直接アタッチする
  4. D. 環境差分はIAMの許可境界で表現し、SCPは組織ルートの共通ポリシーのみとする
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正解:A

A(正解) 正解。SCPは階層に沿って継承され、各階層の評価結果の積集合が有効な上限になる。事業部共通の統制を親OUに残したまま、環境差分だけを子OUで表現できる。

B 事業部共通の統制をSCPで表現できなくなる。タグはSCPのアタッチ単位にならないため、既存統制の粒度が失われる。

C 動作はするがアカウント数に比例してアタッチ作業と棚卸しが増える。階層継承を活用しないため管理コストが最小にならない。

D 許可境界はプリンシパル単位で、新たに作成されたロールへの適用漏れを防げない。アカウント全体の上限を定める用途には向かない。

マルチアカウント/Organizations

Q3. セキュリティ部門が、開発用OUでは承認済みの10サービスだけを使わせる許可リスト戦略を採用しました。承認サービスのみをAllowするSCPを作成して開発用OUにアタッチし、対象アカウントのIAMポリシーは従来のままにしてあります。しかし適用から数日たっても開発者は承認外のサービスを利用でき、CloudTrailにも拒否イベントが記録されていません。組織ルートおよび開発用OUには、AWS管理のFullAWSAccessがアタッチされたままです。原因と対処として正しいものはどれですか。

  1. A. 組織ルートのFullAWSAccessが下位に伝播しているため、ルートからFullAWSAccessをデタッチする
  2. B. 開発用OUにFullAWSAccessが残っているため、開発用OUからFullAWSAccessをデタッチする
  3. C. SCPは権限を付与しないため、SCPに加えて同じ内容のIAMポリシーを各アカウントへ配布する
  4. D. 許可リスト戦略はSCPでは実現できないため、承認外サービスを列挙する拒否リストに切り替える
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正解:B

A 階層をまたぐSCPは積集合で評価されるため、ルート側にFullAWSAccessが残っていても下位の許可リストは有効になるはずである。原因の理解が誤っている。

B(正解) 正解。同一階層に複数のSCPがある場合はその和集合が評価結果になり、FullAWSAccessが許可リストを打ち消してしまう。許可リスト戦略では、許可リストを付けた階層のFullAWSAccessを必ず外す。

C SCPが権限を付与しないという原則自体は正しいが、承認外サービスを使えてしまう原因の説明にならない。既存のIAM許可がある以上、上限側を正しく絞る必要がある。

D 許可リスト戦略はSCPでサポートされている。列挙方式は運用が重く、新サービスの追加にも追随できない。

マルチアカウント/Organizations

Q4. 全社でコスト配分のためCostCenterタグを必須にする方針が決まり、まずタグポリシーを組織ルートに適用しました。しかし数週間たってもタグのないリソースが作られ続けており、付与されている値も部門コードの表記ゆれが目立ちます。財務部門はリソース単位での費用按分を求めており、後追いでのタグ付けでは月次の締めに間に合いません。リソース作成の時点で確実にタグを強制し、かつ値の表記を標準化するために取るべき対応はどれですか。

  1. A. タグポリシーの適用強制を有効にすれば、すべてのAWSサービスでタグなしの作成がブロックされる
  2. B. AWS Configのルールで非準拠リソースを検出し、修復アクションでタグを自動付与する
  3. C. Cost Categoriesでアカウント単位に部門を割り当て、リソースへのタグ強制はやめる
  4. D. SCPでaws:RequestTagとaws:TagKeysの条件を用いてタグなしの作成を拒否し、タグポリシーで値を標準化する
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正解:D

A タグポリシーの強制は対応するサービスとリソースタイプが限定されており、全サービスを網羅しない。値の標準化には有効だが、作成時点の網羅的なブロックにはならない。

B 発見的統制であり作成そのものは許してしまう。自動付与する値も推測になるため、部門コードの正確性を担保できない。

C 請求上の分類はできるが、1アカウントに複数部門が同居する場合に分解できない。リソース単位でタグを強制するという要件を満たさない。

D(正解) 正解。SCPは条件キーで作成リクエストを予防的にブロックでき、タグポリシーは許容される値の定義と非準拠の可視化を担う。両者の組み合わせが定石である。

マルチアカウント/Organizations

Q5. すでに100を超えるアカウントを持つ既存のAWS Organizations環境に、標準化されたガードレールと監査ログの集約を導入するため、AWS Control Towerを採用することになりました。既存アカウントには稼働中の本番系が多数含まれており、一斉停止やアカウントの作り直しはできません。統合請求の継続と既存アカウントIDの維持も条件です。段階的に統制を広げる方法として最も適切なものはどれですか。

  1. A. 既存組織の管理アカウントでランディングゾーンを設定し、既存OUを登録して順次ガバナンスを拡張する
  2. B. Control Tower専用の新しい組織を作成し、既存アカウントを1つずつ招待して移行する
  3. C. Account Factoryで既存アカウントと同構成のアカウントを作り直し、ワークロードを再構築する
  4. D. Control Towerは新規組織専用のため、StackSetsとConfigルールでガードレールを自作する
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正解:A

A(正解) 正解。Control Towerは既存組織に対して有効化でき、OUの登録によって既存アカウントを段階的に取り込める。Account Factoryは新規発行用であり、既存アカウントは登録で扱う。

B 組織の作り直しは請求の分断や大掛かりな移行作業を招く。既存組織のままControl Towerを有効化できるため不要である。

C 本番の再構築は停止と大きなリスクを伴い現実的でない。Account Factoryは新規アカウントのプロビジョニング機能である。

D Control Towerは既存組織でも利用できるため前提が誤っている。自作は可能だが、標準機能を使わない理由にはならない。

マルチアカウント/Organizations

Q6. セキュリティ監査で、複数のアカウントがEC2のAMIやEBSスナップショットをパブリック共有できる状態にあると指摘されました。過去にも一時的な検証のために公開設定が行われ、担当者の異動後に放置された事例があります。今後新設されるアカウントを含め、アカウント側での設定変更やサービスの新機能追加があっても、パブリック共有が不可能な状態を組織全体で維持したいと考えています。最も適した仕組みはどれですか。

  1. A. 各アカウントでパブリックアクセスのブロック設定を有効にする手順書を作成し、チームへ配布する
  2. B. Configルールでパブリック共有されたAMIを検出し、EventBridgeとLambdaで共有を自動解除する
  3. C. SCPでec2:ModifyImageAttributeを全面的に拒否し、属性変更自体を止める
  4. D. Organizationsの宣言型ポリシーで、対象サービスのアカウントレベル設定を組織全体に強制する
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正解:D

A 手作業は新規アカウントで漏れが生じ、設定を戻されても検知できない。組織的な恒久性が担保されない。

B 検出と修復の仕組みであり、一時的に公開状態が発生する。共有が不可能な状態を維持するという要件を満たさない。

C 社内の正当な共有設定や説明文の変更まで一律に止まる。サービスのアカウント設定そのものを固定するわけでもない。

D(正解) 正解。宣言型ポリシーはサービスのアカウント設定を組織で固定するため、新規アカウントや以後の設定変更に対しても意図した状態が維持される。

マルチアカウント/Organizations

Q7. 金融系の企業が、社内のどのアカウントにあるS3バケットについても、自組織に属さないプリンシパルからのアクセスを一律で遮断したいと考えています。バケット数は数千に及び、部門ごとに管理者が分かれているため、個々のバケットポリシーを編集する運用は現実的ではありません。組織のプリンシパルを対象としたSCPを適用してみましたが、外部ベンダーのIAMロールからのアクセスは止まりませんでした。最も適切な方法はどれですか。

  1. A. すべてのアカウントでS3のブロックパブリックアクセスをアカウントレベルで有効化する
  2. B. IAM Access Analyzerの外部アクセス検出を有効にし、検出された共有を都度削除する
  3. C. リソースコントロールポリシー(RCP)を組織ルートに適用し、aws:PrincipalOrgIDが自組織でないアクセスを拒否する
  4. D. StackSetsで共通のバケットポリシーを全バケットへ配布し、組織外を拒否する文を追加する
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正解:C

A パブリック公開は防げるが、特定の組織外アカウントへ明示的に許可されたクロスアカウントアクセスは遮断できない。

B 発見的で事後対応になるため、遮断の網羅性と即時性を保証できない。数千バケットの継続運用としても負荷が高い。

C(正解) 正解。SCPは自組織のプリンシパルにしか効かないが、RCPは組織内のリソース側に上限を課すため、組織外プリンシパルからのアクセスも一括で遮断できる。

D 既存のバケットポリシーを上書きして影響が出るうえ、新規作成バケットへの追随や手動変更の差し戻しに弱い。

マルチアカウント/Organizations

Q8. 監査要件により、全アカウントの特定タグが付いたRDSとEBSについて、日次バックアップ・35日間の保持・別リージョンへのコピーを漏れなく実施する必要があります。アカウント数は現在40で今後も増え続け、各チームに設定を任せた結果、直近の内部監査ではバックアップが未設定のインスタンスが複数見つかりました。管理コストを抑えつつ、新規アカウントも含めて組織全体で統一するアプローチはどれですか。

  1. A. 各アカウントのAWS Backupでバックアッププランを作る手順を標準化し、四半期ごとに監査する
  2. B. Organizationsのバックアップポリシーを組織ルートやOUに適用し、プランを全アカウントへ配布する
  3. C. AWS Organizations Backup Broadcasterを有効化し、管理アカウントのプランを全アカウントへ配信する
  4. D. StackSetsでAWS Backupのバックアッププランとボルトを各アカウントへデプロイする
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正解:B

A 設定漏れが最長で四半期のあいだ放置される。新規アカウントにも自動では適用されず、要件の網羅性を満たさない。

B(正解) 正解。バックアップポリシーは階層継承され新規アカウントにも自動適用される。タグによるリソース選択、保持期間、クロスリージョンコピーもプラン内で定義できる。

C架空 このようなサービスは存在しない。組織全体へのバックアップ設定の配布は、Organizationsのバックアップポリシーが担う。

D 実現は可能だがテンプレート管理とドリフト対応の負担が大きい。専用のバックアップポリシーがある以上、最適とは言えない。

ガバナンス/統制

Q9. AWS Control Towerを導入済みの企業で、CloudFormationによるデプロイの時点で、暗号化されていないRDSインスタンスの作成をブロックしたいという要件が出ました。既存の発見的コントロールでは作成後に非準拠として検出されるだけで、担当者への連絡と修正までに数時間かかり、その間は暗号化されていないデータベースが稼働してしまいます。開発チームのパイプラインには手を入れたくありません。この要件に対応するコントロールはどれですか。

  1. A. 発見的コントロールの通知先をSNSに変更し、検出時に運用チームへ即時通知する
  2. B. 予防的コントロールとして、SCPでrds:CreateDBInstanceを拒否する
  3. C. プロアクティブコントロールを有効にし、デプロイ前にリソース定義を検査してスタック作成を失敗させる
  4. D. Configの自動修復アクションで、作成された非準拠のRDSインスタンスを削除する
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正解:C

A 対応が速くなるだけで、非準拠リソースの作成自体は発生する。デプロイ時点でブロックするという要件を満たさない。

B 暗号化の有無にかかわらずRDSの作成が止まり、正当なデプロイまで阻害する。要件に対して粒度が粗すぎる。

C(正解) 正解。プロアクティブコントロールはCloudFormation Hooksを用い、リソースがプロビジョニングされる前に評価してブロックする。作成後の検出や修復が不要になる。

D 誤検知時にデータ損失を招く危険な運用であり、作成そのものを止める要件も満たさない。

ガバナンス/統制

Q10. 規制対応として、全メンバーアカウント・全リージョンのAPI操作ログを7年間保管し、メンバーアカウントで管理者権限を持つ利用者であっても削除や改ざんができない状態にする必要があります。監査法人からは、ログの取得が途中で停止されていないことの証明も求められています。組織には今後も新しいアカウントが追加され、追加のたびに個別の設定作業が発生しない構成であることが条件です。最も適切な構成はどれですか。

  1. A. 管理アカウントで組織証跡を作成し、ログアーカイブ専用アカウントのS3バケットへ集約する
  2. B. 各アカウントで個別に証跡を作成し、同じ集約用S3バケットへ書き込むよう設定する
  3. C. CloudWatch Logsのサブスクリプションフィルターで、各アカウントのログを集約アカウントへ転送する
  4. D. Configの組織アグリゲータで構成変更履歴を集約し、CloudTrailは既定のイベント履歴に任せる
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正解:A

A(正解) 正解。組織証跡は新規アカウントにも自動適用され、メンバーアカウント側からは停止も削除もできない。保管先を別アカウントに分離し、オブジェクトロックとSCPで保護すれば改ざん耐性を確保できる。

B 新規アカウントへの追随が手作業になるうえ、各アカウントの管理者が自分の証跡を停止・削除できてしまう。

C 転送設定が各アカウント任せで停止可能であり、証跡そのものの改ざん耐性も担保されない。

D Configは構成変更の記録であり、API操作の完全な監査ログにはならない。既定のイベント履歴は90日で失われる。

ガバナンス/統制

Q11. 30アカウント・5リージョンで運用する企業が、社内のセキュリティ基準に対する構成コンプライアンスを一元的に可視化し、基準の追加や変更を短時間で全アカウントへ反映したいと考えています。基準は四半期ごとに見直され、その都度10前後のルールが増減します。セキュリティチームは最小権限の観点から、管理アカウントを日常的な運用には使わない方針を取っています。最も運用負荷の低い構成はどれですか。

  1. A. 各アカウントでConfigルールを作成し、評価結果をLambdaでDynamoDBに集めて自作ダッシュボードで表示する
  2. B. セキュリティアカウントをConfigの委任管理者にし、組織アグリゲータと組織適合パックを利用する
  3. C. Security Hubのセキュリティ基準のみを有効にし、コスト削減のためConfigは無効にする
  4. D. 管理アカウントからStackSetsでConfigルールを全アカウントへ配布し、結果は各アカウントで確認する
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正解:B

A 収集基盤の実装と保守が必要で運用負荷が高い。ルール変更のたびに全アカウントへ配布する仕組みも別途必要になる。

B(正解) 正解。組織アグリゲータで全アカウント・全リージョンの評価結果を集約でき、組織適合パックでルール群を一括配布・更新できる。委任管理者により管理アカウントを日常運用から外せる。

C Security Hubの多くのコントロールはConfigの記録に依存する。社内独自基準の表現にもConfigルールや適合パックが必要である。なお、この機能を提供する従来のSecurity Hubは2025年10月にAWS Security Hub CSPMへ改称され、同名の新しい統合サービスAWS Security Hub(2025年12月GA)と併存している。

D 配布はできても評価結果の集約は別途必要になる。管理アカウントを日常運用に使う点も方針に反する。

ガバナンス/統制2つ選択

Q12. グローバル企業が、事業部門からの依頼に応じて新しいAWSアカウントを月に数個ずつ払い出す運用を標準化しようとしています。要件は、払い出しの時点でネットワークとログ記録のベースラインが自動的に適用されること、および組織全体のリソース構成が社内基準に準拠しているかを一元的に可視化できることです。運用チームの手作業と属人性を最小化しつつ、これらのガバナンス要件を実現する構成として適切なものはどれですか。(2つ選択)

  1. A. AWS Control Towerを導入し、Account Factoryでアカウント払い出しを標準化してコントロールを自動適用する
  2. B. 管理アカウントのルートユーザー認証情報を各事業部門の担当者へ配布し、部門ごとに必要なアカウントを作成させる
  3. C. AWS Configを組織全体で有効化し、委任管理者アカウントに集約器を作成して全アカウントの準拠状況を一元的に確認する
  4. D. Amazon Inspectorで組織のアカウント作成イベントをスキャンし、ベースラインが未適用のアカウントを検出する
  5. E. AWS Trusted Advisorのサービスクォータチェックをアカウント払い出しのトリガーとして構成し、ベースラインを配布する
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正解:A・C

A(正解) 正解。Account Factoryは事前定義されたベースライン(ネットワーク、ログ記録、コントロール)を適用した状態で新規アカウントを払い出せるため、手作業を排除できる。

B 管理アカウントのルート認証情報の共有はセキュリティ上あり得ず、ベースラインの自動適用も標準化も実現できない。

C(正解) 正解。組織全体の集約器により、複数アカウント・複数リージョンの構成と準拠状況を単一のビューで継続的に可視化できる。

D Amazon InspectorはEC2、ECRイメージ、Lambdaの脆弱性を評価するサービスであり、アカウント作成イベントの検査やガバナンス評価は行わない。

E Trusted Advisorはクォータ使用状況などの推奨事項を提示するサービスであり、アカウント払い出しのトリガーやベースライン配布の機能は持たない。

マルチアカウント/Organizations2つ選択

Q13. ある企業はAWS Organizationsで50個のメンバーアカウントを一元管理しています。各メンバーアカウントには事業部門の管理者がIAMの管理者権限を持っています。セキュリティ部門は、その管理者であっても組織全体の監査ログ記録を停止・削除できないようにし、さらに承認済みの2つのリージョン以外ではリソースを作成できないようにしたいと考えています。検出後の是正ではなく、操作そのものを未然に拒否する予防的統制としてこれらの要件を満たすために必要な設定はどれですか。(2つ選択)

  1. A. 各メンバーアカウントで個別に証跡を作成し、その停止と削除を禁止するIAMポリシーをアカウント内のすべてのIAMユーザーとグループにアタッチする
  2. B. 管理アカウント(または委任管理者)で組織の証跡を作成し、全メンバーアカウントのイベントを一元的に記録する
  3. C. AWS Configのマネージドルールでリージョン制限の違反を検出し、自動修復アクションで非準拠リソースを削除する
  4. D. 組織のルートにSCPをアタッチし、aws:RequestedRegion条件キーを使って承認済みリージョン以外へのアクションをDenyする
  5. E. 各メンバーアカウントのVPCエンドポイントポリシーで、承認済みリージョン以外へのAPI呼び出しを拒否する
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正解:B・D

A アカウント内のIAMポリシーはそのアカウントの管理者が自由に変更・削除できるため予防的統制として機能しない。個別に作成した証跡もメンバーアカウント側で停止できてしまう。

B(正解) 正解。組織の証跡は管理アカウントまたはCloudTrailの委任管理者アカウントでのみ管理でき、メンバーアカウント側からは停止・削除・変更ができない。

C AWS Configはリソースが作成された後に評価する発見的統制であり、作成そのものを拒否する予防的統制ではない。設問の要件を満たさない。

D(正解) 正解。SCPはメンバーアカウントの管理者にも権限の上限として作用するため、承認外リージョンへのAPI呼び出しを事前に拒否できる。

E VPCエンドポイントポリシーはそのエンドポイントを経由する通信にしか作用しない。マネジメントコンソールやVPC外からの呼び出しには効かないため統制として不十分である。

新しいソリューションのための設計

高可用性/回復性設計

Q14. 決済処理を行う企業が、単一リージョンの3つのアベイラビリティーゾーン(AZ)にEC2 Auto Scalingグループを分散配置し、ALBの背後で運用しています。過去のAZ障害では、残存AZの既存インスタンスが過負荷となり、Auto Scalingが不足分を補うまでの約8分間、エラー率が急上昇しました。障害時にはEC2の起動APIが混雑して起動が遅延することもあります。ソリューションアーキテクトは、AZ障害の発生時に一切のスケーリング動作を待たずに通常と同じ性能を維持する設計を求められています。最も適切な対応はどれですか。

  1. A. 各AZにピーク需要の50%を処理できる容量を常時プロビジョニングし、1AZ喪失時も残り2AZだけで全量を処理できるようにする
  2. B. Auto Scalingグループにウォームプールを構成し、停止状態のインスタンスをあらかじめ用意しておいて、AZ障害の検知後にそれらを起動して容量を補充する
  3. C. ターゲット追跡スケーリングポリシーのしきい値を引き下げ、インスタンスのウォームアップ時間とクールダウンを短縮して、より早期にスケールアウトさせる
  4. D. ALBのクロスゾーン負荷分散を無効化し、障害の起きたAZへのリクエスト配分を止めて残存AZの負荷を平準化する
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正解:A

A(正解) 正解。静的安定性の考え方であり、フェイルオーバー時に新規のEC2起動というコントロールプレーンのAPI呼び出しへ依存しないため、起動遅延やAPIの逼迫の影響を受けない。3AZ構成では各AZ50%(合計150%)の事前プロビジョニングが定石となる。

B ウォームプールは起動時間を短縮するが、障害検知後に起動APIを呼ぶ点は変わらず、コントロールプレーンへの依存とタイムラグが残る。「一切のスケーリング動作を待たない」という要件を満たさない。

C 反応を早めるだけで、障害検知から起動、ヘルスチェック通過までの時間は依然として必要になる。障害時のAPI逼迫にも脆弱なままである。

D クロスゾーン負荷分散の設定は容量不足を解決しない。むしろ無効化するとAZごとのターゲット数の偏りが負荷の偏りに直結し、状況を悪化させうる。

高可用性/回復性設計

Q15. あるSaaS企業のワークロードは、3つのAZに配置したEC2インスタンスをALBで束ねています。先日、1つのAZで断続的なパケットロスが発生する「グレー障害」が起き、そのAZのインスタンスはEC2とALBのヘルスチェックに合格し続けたため、トラフィックが送られ続けてタイムアウトが多発しました。運用チームは、こうした状況を検知した際に、アプリケーションのコードやDNSの構成を変更せず、数分以内に影響AZからトラフィックを退避し、収束後に元へ戻したいと考えています。最も適切な方法はどれですか。

  1. A. 障害が疑われるAZのサブネットに、当該AZ宛の通信を拒否するネットワークACLルールを追加し、収束後にそのルールを削除する
  2. B. Auto Scalingグループから該当AZのサブネットを取り除いてインスタンスを終了させ、収束後にサブネットを追加し直して台数を戻す
  3. C. Application Recovery Controller(ARC)のゾーンシフトを開始し、ALBの当該AZからトラフィックを外す
  4. D. Route 53のヘルスチェックをAZ単位で作成し、失敗したAZのレコードをフェイルオーバールーティングポリシーで切り離す構成へ移行する
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正解:C

A ネットワークACLは通信を遮断するだけで、ALBが当該AZのターゲットを健全と判断し続ける限りリクエストは送られ、接続失敗として顕在化する。手作業のため誤設定のリスクも高い。

B インスタンスの終了と再作成を伴うため復帰に時間がかかり、可逆性が低い。一時的なグレー障害への退避手段としては重すぎる。

C(正解) 正解。ゾーンシフトはロードバランサーのゾーン単位のDNSレコードを外し、数分以内に該当AZへのトラフィックを止める。期限付きで開始でき、キャンセルすれば元に戻るため、グレー障害の一時退避に適する。

D ALBはAZごとのDNS名を公開しないためRoute 53だけでこの構成を組むのは実質的に困難であり、ヘルスチェックがグレー障害を検知できないという根本問題も未解決のまま残る。

高可用性/回復性設計

Q16. マルチテナントのAPIサービスが、全テナント共通のワーカーフリートとSQSキューで処理を行っています。特定のテナントが投入した異常なリクエストがワーカーを長時間占有し、全テナントの遅延につながる事象が繰り返し発生しました。アーキテクトは、1テナントの問題が影響する範囲を全体のごく一部に限定しつつ、テナント数に対してインフラのリソースを線形に増やさない方式を求めています。最も適した設計はどれですか。

  1. A. ワーカーフリートを増強し、SQSの可視性タイムアウトとリトライ上限を調整したうえで、上限を超えたメッセージをデッドレターキューへ退避させる
  2. B. ワーカーフリートを複数のセルに分割し、各テナントをハッシュで複数セルの組み合わせに割り当てるシャッフルシャーディングを導入する
  3. C. テナントごとに専用のSQSキューと専用のワーカーAuto Scalingグループを作成し、テナント単位で完全に分離した処理系を用意する
  4. D. SQSをFIFOキューに変更し、テナントIDをメッセージグループIDに設定して、グループ単位で順序と並列度が制御されるようにする
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正解:B

A デッドレターキューは毒メッセージの隔離に有効だが、占有が起きている間の他テナントへの影響は防げない。フリートの増強はコストが線形に増えるだけで分離にならない。

B(正解) 正解。シャッフルシャーディングではテナントごとに割り当てられるセルの組み合わせが異なるため、あるテナントが自分の担当セルを壊しても、他テナントと組み合わせが完全に重なる確率は極めて低い。少ないセル数で多数の仮想的な分離境界を作れる。

C 分離の強度は最も高いが、テナント数に比例してリソースと運用負荷が増える。リソースを線形に増やさないという設問の制約に反する。

D メッセージグループにより順序は保たれるが、ワーカープール自体は共有のままである。長時間実行のリクエストがフリート全体を占有する問題は解決しない。

高可用性/回復性設計

Q17. ある企業は、東京リージョンをプライマリ、大阪リージョンをスタンバイとするマルチリージョン構成を持ちます。従来のフェイルオーバー手順は、運用者がRoute 53のレコードセットを手動で更新し、Auto Scalingグループの希望容量を変更するというものでした。大規模障害の演習では、これらのAPIが利用しにくくなる事態も想定すべきだと指摘されています。障害時でも確実に実行でき、かつ誤って両リージョンが同時にアクティブにならない安全策を備えたいと考えています。最も適切なのはどれですか。

  1. A. Lambda関数でRoute 53のレコードを書き換えるランブックを作成し、CloudWatchアラームから自動起動して、実行結果をSNSで運用チームへ通知する
  2. B. Route 53のフェイルオーバールーティングとヘルスチェックだけに依存し、プライマリが異常と判定されれば自動的にスタンバイへ切り替わるようにする
  3. C. Global Acceleratorのエンドポイントグループのトラフィックダイヤルを0に設定する運用へ変更し、切り替えの記録をCloudTrailで監査できるようにする
  4. D. ARCのルーティングコントロールとセーフティルールを構成し、分散されたクラスターエンドポイント経由で切り替える
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正解:D

A Route 53のレコード変更はコントロールプレーンの操作であり、広域障害時には可用性が下がりうる。両リージョンが同時にアクティブになるのを防ぐ仕組みも別途作り込む必要がある。

B ヘルスチェックはグレー障害やデータ層の問題を検知できないことがあり、切り替えを人が保留する余地もない。排他制御の安全策も持たない。

C トラフィックダイヤルの操作は有効な手段だが、これもコントロールプレーンのAPI操作であり、相互に排他的な状態を強制するルールを備えていない。

D(正解) 正解。ルーティングコントロールはデータプレーンで動作し、5つのリージョンに分散したクラスターエンドポイントから操作できるため、障害時でも高い可用性を保つ。アサーションルールにより「常に1リージョンのみオン」といった安全策を強制できる。

高可用性/回復性設計

Q18. ある小売企業は、プライマリリージョンとスタンバイリージョンでウォームスタンバイ構成を運用しています。半年に一度のDR訓練でスタンバイ側を本番と同じ規模までスケールアウトしたところ、実行中のオンデマンドインスタンスのvCPU数とElastic IPアドレスが上限に達し、必要な台数を起動できませんでした。プライマリ側は増設のたびに引き上げを申請してきましたが、スタンバイ側は既定値のままでした。次の訓練を待たずに、切り替え時の容量不足を解消したいと考えています。最も適切な方法はどれですか。

  1. A. Service Quotasでスタンバイリージョンのクォータ引き上げを事前に申請し、CloudWatchアラームで使用率を監視する
  2. B. スタンバイリージョンのAuto Scalingグループの最大容量を、プライマリ側と同じ値まであらかじめ引き上げておく
  3. C. フェイルオーバーの手順書に、切り替えを実施する時点でクォータの引き上げを申請する手順を追加する
  4. D. Trusted Advisorのサービス制限のチェック結果を定期的に確認し、使用率が高い項目を洗い出して引き上げを申請する
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正解:A

A(正解) 正解。サービスクォータの多くはリージョンごとに独立して適用されるため、プライマリ側で引き上げていてもスタンバイ側には反映されない。引き上げは申請から承認まで時間がかかるので、切り替えの当日ではなく平常時に済ませておく必要がある。Service Quotasはクォータに対する使用率を表示し、対応しているクォータではしきい値に近づいたときに通知するCloudWatchアラームを作成できるため、訓練や実際の切り替えで台数を伸ばしたときにも上限への接近を早期に把握できる。

B Auto Scalingグループの最大容量は、そのグループが起動してよい台数の設定にすぎず、アカウントのクォータとは別物である。クォータが不足していれば、最大容量を大きくしてもインスタンスの起動そのものが失敗する。Elastic IPアドレスのように、Auto Scalingの設定では手当てできない上限も残る。

C クォータの引き上げは申請してから審査・承認までに時間がかかり、即時に反映される保証はない。リージョン規模の障害が起きている最中に承認を待つことになり、RTOを満たせなくなる。障害対応の手順ではなく、平常時に済ませておくべき作業である。

D サービス制限のチェックは使用率が上限の80%に達したときに警告する仕組みであり、平常時は縮小された規模でしか稼働していないスタンバイ側では上限に近づかない。切り替え時に必要となる規模との差は現れないままである。仮に検出できたとしても、そこから引き上げを申請する後手の対応になる。

高可用性/回復性設計

Q19. 動画配信企業のバックエンドは、3つのAZにまたがるNetwork Load Balancer(NLB)の背後でEC2インスタンスを稼働させています。AZ間のデータ転送費用を抑えるためクロスゾーン負荷分散は無効のままです。あるAZのターゲットが他のAZより少ない状態が続いており、そのAZのインスタンスだけCPU使用率が突出しています。チームはAZ単位の障害分離境界を維持したまま、この負荷の偏りを解消したいと考えています。最も適切な対応はどれですか。

  1. A. クロスゾーン負荷分散を有効化し、すべてのAZのターゲットへ均等にリクエストを分散させて、AZごとの台数差の影響をなくす
  2. B. NLBのターゲットグループでスロースタートを有効にし、新しく登録されたターゲットへの送信量を段階的に増やしていく
  3. C. Auto ScalingグループのAZ間バランスを是正し、各AZのターゲット数を揃える
  4. D. 各AZに1つずつNLBを作成し、Route 53の加重ルーティングでAZごとの台数比に応じた重みを設定して振り分ける
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正解:C

A 偏りは解消するが、あるAZの障害が全AZのターゲットへ波及しうるうえ、AZ間のデータ転送も発生する。設問はAZの分離境界を維持することを求めている。

B スロースタートは新規ターゲットの暖機のための機能で、NLBのターゲットグループでは利用できない。恒常的な台数差による偏りにも効果がない。

C(正解) 正解。クロスゾーン負荷分散が無効のとき、NLBは各AZへ概ね均等にトラフィックを配分するため、AZごとのターゲット数が同じであればインスタンスあたりの負荷も均される。分離境界も保たれる。

D DNSレイヤーで比率を制御するとリゾルバーのキャッシュの影響で精度が出ず、構成も複雑になる。台数を揃えるだけで解決する問題に対して過剰である。

高可用性/回復性設計

Q20. ある認証基盤は、リクエストごとに外部SaaSのIDプロバイダーへトークン検証を同期的に問い合わせています。先日そのSaaS側の障害でトークン検証が全件失敗し、既にログイン済みのユーザーまで含めてサービス全体が停止しました。契約上、そのIDプロバイダーの可用性目標は自社サービスの目標を下回っています。アーキテクトは、外部依存の障害がサービス全体の停止に直結しない構成へ改めたいと考えています。最も適切なのはどれですか。

  1. A. IDプロバイダーへの呼び出しにエクスポネンシャルバックオフとジッターを伴うリトライを実装し、タイムアウト値を延長して成功率を高める
  2. B. 公開鍵を定期取得してキャッシュし、トークン署名をローカルで検証する方式へ変え、鍵の取得に失敗した場合は既存のキャッシュで動作を継続する
  3. C. IDプロバイダーへの呼び出しにサーキットブレーカーを実装し、連続失敗時は回路を開いてすべてのリクエストを即座に拒否するようにする
  4. D. IDプロバイダーへの問い合わせ結果をElastiCacheに保存し、キャッシュヒット時のみ検証を省略して、ミス時は従来どおり同期問い合わせを行う
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正解:B

A リトライは一時的なエラーには有効だが、長時間の全面障害では待ち時間を増やしてスレッドを枯渇させ、かえって影響を拡大させる。ハード依存であること自体は変わらない。

B(正解) 正解。検証をリクエストパスから外し、鍵の取得に失敗しても直近の値で動作を続ける「フェイルスタティック」により、外部依存をフォールバック不可のハード依存からソフト依存へ格下げできる。静的安定性の典型的な適用例である。

C 障害の波及やリソース枯渇は抑えられるが、リクエストが拒否される点は同じでサービスは停止したままである。可用性の回復にはならない。

D キャッシュミスや新規セッションでは外部依存が残るため、障害時の全面停止は避けられない。依存の性質を変えない部分的な緩和にとどまる。

高可用性/回復性設計

Q21. あるアーキテクトは、2つのリージョンにデプロイしたアプリケーションをRoute 53のフェイルオーバールーティングで切り替えています。プライマリリージョンには10台のアプリサーバーがあり、単一のエンドポイントに対するヘルスチェックでは一部サーバーの不調で判定が振れ、フェイルオーバーが繰り返し発生しました。新たな要件は「10台中7台以上が健全ならプライマリの利用を継続し、それを下回った場合のみセカンダリへ切り替える」ことです。最も適切な構成はどれですか。

  1. A. ヘルスチェックの失敗しきい値を最大値まで引き上げ、リクエスト間隔を30秒へ変更することで判定の揺らぎを抑える
  2. B. 各サーバーにヘルスチェックを作成し、それらすべてをプライマリのフェイルオーバーレコードに関連付けて、全部が失敗したときに切り替える
  3. C. CloudWatchの複合アラームで健全なサーバー数を評価し、そのアラームを参照するCloudWatchメトリクスヘルスチェックをプライマリのレコードに関連付ける
  4. D. 各サーバーに個別のヘルスチェックを作成し、それらを子とする計算されたヘルスチェックを作って健全しきい値を7に設定する
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正解:D

A 検知の遅延を招くだけで、「7台以上が健全か」という台数ベースの条件は表現できない。フラッピングの緩和にすぎない。

B 1つのレコードに関連付けられるヘルスチェックは1つであり、この構成は組めない。仮に組めても全滅時のみの切り替えとなり要件と異なる。

C メトリクスベースの判定は代替になりうるが、複合アラームは他のアラームの状態を論理結合するものであり、健全な台数のカウントには数式を用いたメトリクスアラームが別途必要になる。Route 53だけで完結する方法がある。

D(正解) 正解。計算されたヘルスチェックは複数の子ヘルスチェックを集約し、指定した数以上が健全であれば全体を健全とみなす。台数ベースの判定をRoute 53だけで表現できる。

高可用性/回復性設計

Q22. ある企業は、Amazon RDS for PostgreSQLをマルチAZ DBインスタンス構成で運用しています。計画外のフェイルオーバーでは書き込みが1〜2分停止し、SLA違反となりました。新たな要件は、フェイルオーバー時の書き込み停止を35秒未満に抑え、あわせて読み取り処理をスタンバイ側へオフロードすることです。アプリケーションはPostgreSQL互換であればエンジンの変更を許容しますが、移行に伴う検証作業は最小限にしたいと考えています。最も適切なのはどれですか。

  1. A. 既存のマルチAZ DBインスタンスに複数のリードレプリカを追加し、読み取りをレプリカへ振り向けたうえで、フェイルオーバーの優先度を設定する
  2. B. DBインスタンスクラスを最新世代へ変更し、プロビジョンドIOPS SSD(io2)ボリュームへ移行することでフェイルオーバー処理を高速化する
  3. C. マルチAZ DBクラスター配置へ変更し、2つの読み取り可能なスタンバイを別々のAZに配置する
  4. D. Amazon Aurora PostgreSQLへ移行し、3つのAZにまたがるクラスターを構成して、リーダーエンドポイント経由で読み取りを分散させる
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正解:C

A リードレプリカは読み取りのオフロードには有効だが、同期スタンバイへのフェイルオーバー時間そのものは短縮されない。フェイルオーバー優先度はマルチAZ DBインスタンスの概念でもない。

B 性能の向上はフェイルオーバー時間の主要因ではない。切り替えはDNSの更新と復旧処理に依存しており、ストレージ変更では35秒未満を保証できない。

C(正解) 正解。マルチAZ DBクラスターは2つの読み取り可能なスタンバイを持ち、通常35秒未満でフェイルオーバーする。スタンバイが読み取りを受けられるためオフロードの要件も同時に満たせる。

D 要件は満たせるが、エンジン移行に伴う検証やカットオーバーの作業量が大きい。検証を最小限にしたいという制約に照らすと最適ではない。

高可用性/回復性設計

Q23. あるグローバルなAPIサービスでは、リージョンごとに単一の大規模なフリートを運用しています。過去2年の重大障害の多くは設定変更やデプロイに起因しており、そのたびにリージョン全体のユーザーへ同時に影響が及びました。アーキテクトは、変更に起因する障害の影響を全体の数%以内に抑え、異常を早期に検知して以降の展開を止められるようにしたいと考えています。最も適切な取り組みはどれですか。

  1. A. リージョン内をサイズを揃えた複数のセルに分割し、セル単位で段階的にデプロイして各段階でメトリクスを確認する
  2. B. デプロイをBlue/Green方式へ変更し、新旧環境を並行稼働させたうえで、問題があればリスナーのターゲットを旧環境へ即座に戻せるようにする
  3. C. デプロイ前に本番同等のステージング環境で自動負荷テストを実行し、合格した場合のみ本番へ一括で適用する運用へ変更する
  4. D. AWS AppConfigで機能フラグを管理し、変更を設定として段階的に配信して、異常を検知したらロールバックできるようにする
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正解:A

A(正解) 正解。セルベースアーキテクチャでは1セルの容量が全体の数%に収まるため、変更起因の障害の影響範囲がセル数分の1に限定される。段階的な展開とベイクタイムにより異常を早期に検知して以降の展開を止められる。

B 切り戻しは速くなるが、切り替えの瞬間に全ユーザーが新環境へ移るため、影響範囲は依然としてリージョン全体である。数%に抑えるという要件を満たさない。

C 事前検証は有効だが、本番固有の条件で発生する問題は残る。検証をすり抜けた変更は一括適用されるため全ユーザーへ波及する。

D 設定変更の安全な配信には有効だが、コードやインフラの変更へ適用できる範囲は限られる。分離境界そのものを作る施策ではない。

高可用性/回復性設計

Q24. あるアプリケーションはLambda関数からAmazon Aurora MySQLへ接続しています。DBのフェイルオーバーが発生すると、接続プールが旧ライターの情報を保持し続けるため、復旧後も数分間エラーが継続します。加えて、同時実行数が急増した際にDBの接続数上限に達して接続エラーが起きています。アプリケーションコードの改修を最小限にしつつ、両方の問題を解決したい場合、最も適切な対応はどれですか。

  1. A. Lambda関数のVPC設定を見直し、DNSの解決結果をキャッシュしないよう、呼び出しごとに新しい接続を確立する実装へ変更する
  2. B. Auroraのクラスターエンドポイントの代わりにインスタンスエンドポイントを使用し、EventBridgeでフェイルオーバーを検知して接続先を切り替える
  3. C. Aurora Serverless v2へ変更し、容量の自動スケーリングによって接続数の上限に達しないようにしたうえで、リトライ処理を追加する
  4. D. RDS Proxyを導入し、Lambda関数の接続先をプロキシのエンドポイントへ変更する
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正解:D

A 毎回接続を張ると接続数の急増をむしろ悪化させ、レイテンシも増える。DNSキャッシュの問題に対処できても、接続数上限の問題は残る。

B インスタンスエンドポイントは特定のインスタンスを指すため、フェイルオーバー後は自前で切り替える仕組みが必要になり、改修量も運用リスクも増える。

C 容量のスケーリングは接続数上限をある程度緩和するが、フェイルオーバー時に古い接続が保持される問題は解決しない。コードの改修も必要になる。

D(正解) 正解。RDS Proxyは接続をプールして再利用するため同時実行の急増を吸収でき、フェイルオーバー時にはプロキシ側で新しいライターへ接続を張り替える。アプリ側の改修は接続先の変更のみで済む。

高可用性/回復性設計

Q25. ある企業は、3つのAZでALBとEC2 Auto Scalingを運用しており、ARCのゾーンシフトを手動で実行する手順を整備しました。しかし夜間帯はオンコール担当者の着手が遅く、AZの部分障害の影響が長引いています。また、1つのAZを切り離した状態で本当にサービスが耐えられるのかを一度も確認していません。運用負荷を増やさずに、AZ障害からの退避を自動化し、あわせて耐性を定期的に検証したいと考えています。最も適切な対応はどれですか。

  1. A. CloudWatchのAZ別メトリクスにアラームを設定し、EventBridge経由でLambdaを起動してゾーンシフトのAPIを呼び出す仕組みを自作する
  2. B. ゾーンオートシフトを有効にし、あわせてプラクティスランを構成して定期的に退避を試行させる
  3. C. Fault Injection Serviceで定期的にAZ障害の実験を実行し、その結果に基づいて運用手順書とエスカレーションの基準を見直す
  4. D. Auto Scalingグループのヘルスチェックの猶予期間を短縮し、異常なインスタンスを早期に置き換えることでAZ障害の影響を抑える
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正解:B

A 自動化はできるが、AZ単位のグレー障害を自前のメトリクスで正しく判定するのは難しく、検知ロジックと誤検知対策の保守が必要になる。定期的な検証も別に作り込むことになる。

B(正解) 正解。ゾーンオートシフトはAWSがAZの障害を検知した際に自動でトラフィックを退避し、回復後に戻す。プラクティスランは週次で短時間の退避を実施し、1AZを失った状態で耐えられるかを継続的に検証する。

C 耐性の検証には役立つが、実際の障害発生時に自動で退避する仕組みにはならない。夜間帯の着手遅れという課題が解決しない。

D インスタンス単位の置換であり、AZ全体に及ぶ障害では置換先も同じAZになりうる。ゾーン単位の退避にはならない。

DR/事業継続

Q26. ある企業の基幹Webシステムは、東京リージョンでALB、EC2 Auto Scaling、Aurora MySQLにより稼働しています。経営層はリージョン規模の障害に備え、RTO 15分・RPO 5分という要件を提示しました。あわせて、年間のDR費用は本番環境の3割程度に抑えたいという制約があります。平常時にセカンダリリージョンへユーザートラフィックを流す予定はありません。この要件を満たす最も適切なDR戦略はどれですか。

  1. A. Aurora Global Databaseで大阪へ複製し、縮小した規模のALBとAuto Scalingを常時稼働させて、切り替え時にスケールアウトする
  2. B. 毎日のAuroraスナップショットを大阪リージョンへコピーし、障害時にCloudFormationテンプレートから環境一式を構築してデータを復元する
  3. C. 大阪リージョンに本番と同一規模の環境を常時稼働させ、Route 53の加重ルーティングで両リージョンへトラフィックを分散させる
  4. D. Aurora Global Databaseで大阪へ複製し、アプリケーション層はAMIと起動テンプレートのみ準備して、切り替え時にAuto Scalingを起動する
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正解:A

A(正解) 正解。ウォームスタンバイでは常に縮小構成が稼働しているため、切り替えはセカンダリの昇格とスケールアウトのみで完了し、RTO 15分に収まる。Aurora Global DatabaseのRPOは通常1秒程度で要件を満たし、費用も本番のフルコピーより大幅に低い。

B バックアップ&リストアに相当する。コストは最小だがRPOはスナップショット間隔(最大24時間)、RTOは数時間規模となり、いずれの要件も満たさない。

C マルチサイトアクティブ-アクティブであり要件自体は満たすが、費用が本番と同等になり3割以内という制約に反する。平常時にトラフィックを流さない前提とも矛盾する。

D パイロットライトに相当する。データのRPOは満たすが、切り替え時にフリート全体を新規に起動するため起動と暖機に時間がかかり、RTO 15分の達成は不確実である。

DR/事業継続

Q27. 社内向けの分析レポートシステムは、日次バッチで更新されるS3のデータとRDS for PostgreSQLで構成されています。利用者は社内の企画部門のみで、業務への直接の影響は限定的です。事業部門にヒアリングしたところ「リージョン障害からの復旧は翌営業日中でよく、前日時点のデータに戻れば足りる」との回答でした。一方でIT部門は、DRのために恒常的に発生するコストを可能な限り最小化したいと考えています。インフラはCloudFormationで管理されています。この要件に最も適したアプローチはどれですか。

  1. A. RDSのクロスリージョンリードレプリカを常時稼働させ、S3はクロスリージョンレプリケーションで複製し、障害時にレプリカを昇格させる
  2. B. Elastic Disaster Recoveryを構成し、RDSとS3を含む環境全体を復旧先リージョンへ継続的にレプリケートする
  3. C. AWS Backupのバックアッププランで日次バックアップを取得し、復旧先リージョンへコピーする。復旧はIaCと復元で行う
  4. D. S3をより安価なストレージクラスへライフサイクル移行し、RDSの自動バックアップの保持期間を35日へ延長して長期の復旧に備える
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正解:C

A RTOとRPOは要件より大幅に良いが、レプリカインスタンスを常時稼働させるためコストが継続的に発生する。コスト最小化の要件に照らすと過剰である。

B Elastic Disaster Recoveryはサーバーのブロックレベルのレプリケーションであり、RDSやS3のようなマネージドサービスは対象外である。用途が合致しない。

C(正解) 正解。バックアップ&リストア戦略であり、恒常的に稼働するリソースがないためコストが最小になる。RPOは日次のバックアップ間隔、RTOは復元とIaCによる再構築の時間となり、翌営業日という要件に収まる。

D 同一リージョン内で保持期間を延ばすだけでは、リージョン障害時にバックアップごと利用できなくなる恐れがある。クロスリージョンの複製が欠けている。

既存ソリューションの継続的改善

運用改善/可観測性

Q28. AWS Organizations配下の50アカウントで稼働するアプリケーションが、それぞれのアカウントのCloudWatch Logsにログを出力しています。セキュリティ運用チームは、全アカウントのアプリケーションログを専用の監査アカウントへほぼリアルタイムで集約し、Amazon OpenSearch Serviceで横断検索しつつS3に長期保存したいと考えています。既存アプリケーションのコード変更は避け、運用負荷を最小限にしたいという制約があります。最も適切な構成はどれですか。

  1. A. 各アカウントでLambda関数を定期実行し、GetLogEventsでログを取得して監査アカウントのS3バケットへPUTし、S3イベント通知でOpenSearchへ取り込む
  2. B. 各アカウントのEC2にログ転送エージェントを追加導入し、監査アカウントのS3へ直接アップロードするスクリプトを全台に配布して定期実行する
  3. C. 各アカウントのロググループにサブスクリプションフィルターを設定し、監査アカウントのAmazon Data Firehose経由でOpenSearchとS3へ配信する
  4. D. 組織証跡としてCloudTrailを有効化し、すべてのアカウントのイベントを監査アカウントのS3バケットに集約してAthenaで検索できるようにする
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正解:C

A ポーリング方式は取得位置の管理や失敗時の再開処理を自前で実装する必要があり、実行間隔の分だけ遅延も発生する。サブスクリプションフィルターを使えばこの作り込みは不要になる。

B エージェントの配布と権限管理という運用が全アカウントに増える。またLambdaやFargateなどEC2以外のログは収集できず、既にCloudWatch Logsに集まっている資産を活かせない。

C(正解) 正解。サブスクリプションフィルターはクロスアカウント送信に対応しており、Amazon Data Firehoseがバッファリングとバックアップ用S3への配信、OpenSearchへの取り込みをマネージドで行う。アプリケーションの変更は不要である。

D CloudTrailが記録するのはAWS APIの呼び出し履歴であり、アプリケーションが出力するログは対象外である。監査基盤の一部にはなるが今回の要件は満たせない。

運用改善/可観測性

Q29. ECS on Fargateで動作する15個のマイクロサービスがALB配下にあり、相互にHTTP呼び出しを行いながらDynamoDBと外部SaaS APIを利用しています。利用者から「ときどき特定の操作だけ数秒かかる」という報告がありますが、各サービスのCloudWatchメトリクスは平均値では異常が見られません。サービスごとにログは出ていますが、1リクエストの処理が複数サービスにまたがるため相関付けができていません。原因箇所を特定する最も有効な方法はどれですか。

  1. A. AWS X-Rayのトレースを有効化し、サービスマップとトレースの詳細で遅いセグメントを分析する
  2. B. 各サービスのCloudWatchメトリクスに平均レイテンシーのアラームを追加し、しきい値を超えたサービスから順に調査を進める
  3. C. ALBのアクセスログをS3に出力し、Athenaでtarget_processing_timeの分布を集計してp99を可視化する
  4. D. VPCフローログを有効化してサービス間の通信量と拒否されたフローを確認し、ネットワーク上の遅延を調べる
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正解:A

A(正解) 正解。分散トレースはリクエスト単位でサービス間の呼び出しを相関付けるため、外部API呼び出しやDynamoDBクエリなど時間を消費している区間を特定できる。間欠的な外れ値も個別のトレースとして追跡できる。

B 平均値は少数の外れ値を打ち消すため、間欠的な遅延の検出には不向きである。またサービス単体の数値からは、どの呼び出し経路で時間を消費したかまでは分からない。

C 遅いリクエストが存在することは分かるが内訳が得られない。ALBが記録するのは最前段のターゲットまでで、その先のサービス間呼び出しの時間は含まれない。

D フローログはIPとポート単位のメタデータであり、アプリケーションの処理時間は含まれない。アプリ層のボトルネック特定には使えない。

運用改善/可観測性

Q30. プライベートサブネットに配置された約300台のEC2インスタンスに対し、運用チームはパブリックサブネットの踏み台サーバー経由でSSH接続しています。SSH鍵の配布と失効、踏み台自体の運用が負担になっており、監査部門からは「誰がいつどのインスタンスで何を実行したか」の記録を求められています。VPCにインターネットゲートウェイを追加することは認められていません。最小の運用負荷で要件を満たす方法はどれですか。

  1. A. EC2 Instance Connectを有効化して接続のたびに一時的な公開鍵を送り込む方式に切り替え、CloudTrailで接続APIの呼び出しを記録する
  2. B. SSM Agentとインスタンスプロファイルを設定し、必要なVPCインターフェースエンドポイントを作成してSession Managerで接続する
  3. C. NATゲートウェイを追加してインスタンスからの外向き通信を可能にしたうえで、踏み台サーバーをAuto Scalingグループで冗長化してSSH接続を継続する
  4. D. AWS Direct Connectを敷設して社内ネットワークから直接SSHできるようにし、社内の特権ID管理製品で鍵と操作ログを管理する
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正解:B

A 鍵の常設配布は不要になるが、記録されるのは接続APIの呼び出しのみで、セッション内で実行したコマンドは残らない。監査要件を満たせない。

B(正解) 正解。Session Managerは受信ポートも踏み台もSSH鍵も不要である。ssm・ssmmessages・ec2messagesのインターフェースエンドポイントを用意すればインターネット接続なしで到達でき、セッションログをS3やCloudWatch Logsに保存すれば操作内容の記録も残せる。

C 踏み台とSSH鍵の運用が残るため負担は減らない。NATゲートウェイは外向き通信のためのもので、運用者からの接続経路にはならない。

D 回線の敷設コストと期間が大きく、鍵管理の運用も社内製品側に残る。要件に対して過大な変更であり最小の運用負荷とは言えない。

運用改善/可観測性

Q31. 本番環境のEC2 Auto Scalingグループに、CPU使用率70%超で通知する静的しきい値のアラームを設定しています。しかし毎晩のバッチ処理で正常にCPUが上昇するため夜間は誤報が続いています。さらにCPU・メモリ・ディスク・ALBの5xxがそれぞれ個別にアラームとして通知されるため、障害時には数十通のメールが飛びアラート疲れが起きています。運用の作り込みを増やさずに改善する方法はどれですか。

  1. A. しきい値を90%に引き上げ、評価期間を15分×3データポイントに延ばすことで通知の総量を減らす
  2. B. Lambda関数を定期実行してGetMetricDataで各メトリクスを取得し、独自の判定ロジックで相関を評価して1通にまとめて通知する
  3. C. 各アラームの通知先SNSトピックを1つに統一し、サブスクライブするメールアドレスを運用チームの共有アドレスだけに絞り込む
  4. D. CPUには異常検出に基づくアラームを使い、複数のアラームをCloudWatch複合アラームで束ねて代表アラームだけを通知する
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正解:D

A 誤報は減るが実際の異常の検知も遅れ、見逃しのリスクが増える。複数のアラームが個別に飛ぶという問題にも手が入っていない。

B 実現は可能だが、判定ロジックとスケジューラを自前で保守することになり運用負荷はむしろ増える。マネージドの機能で代替できる。

C 宛先が減るだけで通知の本数も誤報も変わらない。判定方法と相関付けという根本原因が手つかずのままである。

D(正解) 正解。異常検出は曜日や時間帯の周期性を学習した予測バンドで判定するため、夜間バッチの正常な上昇を誤報にしない。複合アラームは子アラームの論理式で評価し、通知を代表アラームに集約できる。

運用改善/可観測性

Q32. SaaSアプリケーションについて「ログイン画面の表示が遅い」「たまに真っ白になる」という問い合わせが特定の国から寄せられていますが、ALBやECSのサーバー側メトリクスは正常で、社内から試しても再現しません。実ユーザーのブラウザ側の体感を地域やブラウザ別に把握し、あわせてトラフィックが少ない時間帯でも主要導線の可用性を継続的に確認したいと考えています。適切な組み合わせはどれですか。

  1. A. ALBの5xxとターゲット応答時間のアラームを追加し、しきい値を厳しく設定して異常をできるだけ早期に検知できるようにする
  2. B. X-Rayでバックエンドのトレースを取得し、サービスマップから遅いセグメントを特定して改善する
  3. C. CloudWatch RUMをフロントエンドに組み込み、CloudWatch Syntheticsのキャナリアで主要導線を定期実行する
  4. D. Route 53ヘルスチェックを複数のリージョンから設定し、エンドポイントの応答状況をグローバルに監視する
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正解:C

A いずれもサーバー側の指標であり、クライアント側のJavaScriptエラーや描画時間、地域ごとの回線品質は分からない。画面が白くなる事象も捉えられない。

B バックエンド内部の分析には有効だが、ブラウザ側の体感や地域差の可視化はできない。無トラフィック時の外形監視にもならない。

C(正解) 正解。RUMは実ユーザーの表示速度やJSエラーを地域・ブラウザ別に収集し、Syntheticsはトラフィックの有無に関係なく合成トランザクションで可用性とレイテンシーを継続測定する。

D 到達性と応答コードの確認にとどまる。ログインのような複数ステップの導線や、ブラウザ上の描画時間の計測はできない。

運用改善/可観測性

Q33. マルチテナントのAPIをAPI Gateway、Lambda、DynamoDBで提供しています。ときどき全体のレイテンシーが悪化し、DynamoDBのスロットリングも発生します。アプリケーションログにはテナントIDとリクエストパスが構造化ログとして出力されており、テナント数は数千に達します。悪化が起きているまさにそのときに「どのテナントとどのパスが上位を占めているか」を常時把握したいと考えています。最も適した方法はどれですか。

  1. A. テナントIDをディメンションに持つカスタムメトリクスをメトリクスフィルターで作成し、テナントごとにアラームを設定して監視する
  2. B. CloudWatch Contributor Insightsのルールを作成し、テナントIDとパスを軸に上位コントリビューターを可視化する
  3. C. 悪化が報告されるたびにCloudWatch Logs Insightsでstats count() by tenantIdのクエリを手動実行し、上位のテナントを確認する
  4. D. ログをS3にエクスポートしてAthenaで日次集計し、Quick Sightのダッシュボードでテナント別の傾向を関係者に共有する
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正解:B

A テナント数が数千あるためメトリクスとアラームの数が爆発し、コストも管理も破綻する。メトリクスは高カーディナリティの軸には向かない。

B(正解) 正解。Contributor Insightsはログのフィールドを軸に上位N件を時系列で継続集計する仕組みで、高カーディナリティな軸でも偏りをほぼリアルタイムに把握できる。DynamoDB向けの組み込み機能も併用できる。

C 事後のアドホック分析としては有効だが、人が気づいて実行するまで状況が分からず、常時の可視化という要件を満たさない。

D 日次バッチでは悪化している最中の把握に間に合わない。長期傾向の分析には使えるが、リアルタイムの上位特定という目的には合わない。

運用改善/可観測性

Q34. 決済処理を行うLambda関数で、通貨・加盟店ID・処理結果といった軸を持つビジネスメトリクスを収集しています。現在は処理の最後にPutMetricData APIを呼び出していますが、同期呼び出しのため関数の実行時間が伸び、リクエスト数の増加に伴ってAPI呼び出しのコストも無視できなくなりました。分析軸を減らさずにレイテンシーとコストを抑える方法はどれですか。

  1. A. PutMetricDataの呼び出しを関数の外に出し、SQSキューに送って別のLambda関数がまとめてAPIを呼び出す構成に変更する
  2. B. メトリクスの発行間隔を1分から5分に変更し、送信するディメンションの組み合わせを減らして呼び出し回数を削減する
  3. C. Lambda関数のメモリ割り当てを増やしてCPU性能を引き上げ、PutMetricDataの呼び出しはそのまま維持する
  4. D. 埋め込みメトリクスフォーマット(EMF)の構造化ログを標準出力に書き出し、CloudWatch Logs側でメトリクスを自動抽出させる
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正解:D

A レイテンシーは改善するが、キューと集約関数という新しい構成要素の運用が増える。埋め込みメトリクスを使えば追加のコンポーネントは不要である。

B 呼び出し回数は減るが同期呼び出しは残る。加盟店IDのような軸を落とすと分析の目的そのものを満たせなくなる。

C メモリ増強で計算は速くなるが、外部API呼び出しのネットワーク待ち時間は基本的に短縮されない。単価が上がるためコストも改善しない。

D(正解) 正解。EMFはログ出力だけで済むため同期API呼び出しが不要になり、実行時間とPutMetricDataのコストを削減できる。ログには全ディメンションが残るので、後からLogs Insightsで詳細に分析できる。

運用改善/可観測性

Q35. オンプレミスとAWSにまたがる約600台のLinux/WindowsサーバーにOSパッチを適用しています。現在は担当者がメンテナンス時間帯に手作業でスクリプトを流しており、適用漏れの調査にも時間がかかっています。監査部門からはパッチ適用状況のレポート提出を求められ、また業務繁忙期にはパッチ適用を止めたいという要望も出ています。最小の運用負荷で実現する方法はどれですか。

  1. A. Systems Managerのパッチポリシーでタグ単位に自動適用し、Change Calendarで凍結期間を定義してコンプライアンス状況を集計する
  2. B. EC2はパッチ適用済みAMIを定期作成してAuto Scalingグループを入れ替え、オンプレミスは従来どおり手作業のスクリプト実行を継続する
  3. C. 各サーバーのcronとタスクスケジューラでパッケージ更新コマンドを定期実行し、結果ログをS3に集めてAthenaで集計して報告する
  4. D. Amazon Inspectorで脆弱性を継続スキャンし、検出結果に応じて担当者がパッチを適用する運用に切り替える
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正解:A

A(正解) 正解。Patch Managerは承認ルールに沿って対象を判定し、メンテナンスウィンドウで自動適用してコンプライアンスとして集計する。ハイブリッドアクティベーションを使えばオンプレミスのサーバーも同じ仕組みで管理できる。

B イミュータブルな更新自体は有効だが、オンプレミスと状態を持つサーバーは手作業のまま残る。統一したコンプライアンスレポートも得られない。

C スケジューラとログ集計を全台で保守することになり、承認ルールや凍結期間の制御もすべて作り込みが必要になる。運用負荷は下がらない。

D Inspectorは検出までを担い、適用は行わない。手作業のパッチ運用が残るため負荷とばらつきの問題は解決しない。

信頼性の改善

Q36. 既存のWebアプリケーションはALB配下の単一アベイラビリティーゾーンのAuto Scalingグループで動作し、セッション情報を各EC2のローカルディスクに保存しているためALBのスティッキーセッションに依存しています。スケールインやインスタンス障害のたびに利用者が強制ログアウトされ、AZ障害では全断します。アプリケーションの大規模改修は避けたいという制約があります。最も適切な改善はどれですか。

  1. A. スティッキーセッションのCookie有効期間を延長し、Auto Scalingグループのスケールイン保護を有効にしてインスタンスが終了しにくいようにする
  2. B. 各インスタンスからEFSファイルシステムをマウントし、セッションファイルの保存先をEFS上の共有ディレクトリに変更して共有する
  3. C. セッションを複数AZにまたがるElastiCacheクラスタに外出しし、スティッキーセッションを無効化してASGを複数AZへ広げる
  4. D. EBSマルチアタッチのボリュームを全インスタンスから共有し、セッションファイルを同じボリューム上に置いて整合性を確保する
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正解:C

A ログアウトの頻度は下がるが原因は残り、インスタンス障害やAZ障害では依然としてセッションが失われる。スケールイン保護は伸縮性とコスト効率も損なう。

B 共有自体は可能だが、ファイルロックとネットワーク遅延によりセッションの読み書きが遅く、頻繁に更新されるセッションストアの用途には適さない。

C(正解) 正解。セッションを外部の共有ストアへ移すことでEC2がステートレスになり、どのインスタンスでも任意のリクエストを処理できる。マルチAZ配置と組み合わせればAZ障害でもサービスを継続できる。

D マルチアタッチはio1/io2かつ同一AZ内に限られ、クラスタ対応ファイルシステムも必要になる。AZ障害への対策にはならない。

信頼性の改善

Q37. ECサイトのAuto Scalingグループはターゲット追跡スケーリングでCPU使用率を50%に維持しています。しかしAMIが大きくOS起動からアプリケーションのウォームアップ完了まで約8分かかるため、毎朝9時の一斉アクセスや広告配信直後の急増にスケールアウトが追いつかず、数分間エラー率が上昇します。常時ピーク台数を確保するのはコスト面で避けたいという条件があります。最も効果的な改善はどれですか。

  1. A. スケーリングポリシーをターゲット追跡からステップスケーリングに変更し、急増時により多くの台数を一度に追加するようにする
  2. B. Auto Scalingグループのデフォルトクールダウンを短縮し、ヘルスチェックの猶予期間も短くして次のスケーリングを早く実行できるようにする
  3. C. ウォームプールを構成して初期化済みの停止インスタンスを用意し、予測スケーリングで朝の需要増に先回りする
  4. D. Auto Scalingグループの最小台数をピーク時の台数まで引き上げ、スケールインを無効化して常に十分な容量を確保する
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正解:C

A 同時に追加する台数は増えても、1台あたり8分かかる起動時間は変わらないため立ち上がりの遅れは解消しない。

B クールダウンは連続したスケーリングの間隔にすぎず、起動時間は短縮されない。猶予期間を縮めるとウォームアップ中のインスタンスが異常と判定される危険がある。

C(正解) 正解。ウォームプールは初期化を終えたインスタンスを停止状態で保持するため、スケールアウト時の待ち時間を大幅に短縮できる。周期的な需要に対しては予測スケーリングが事前に容量を確保する。

D 要件で避けたいとされているコスト増を招く。広告配信直後のような予測しにくい急増にも対応できない。

信頼性の改善

Q38. 同一のAWSアカウントとリージョンに、利用者向け同期APIを処理するLambda関数と、不定期に大量のファイルを処理するバッチ用Lambda関数が同居しています。バッチが起動するとアカウントの同時実行数を使い切り、同期API側の関数がスロットリング(429)で失敗するようになりました。バッチの処理完了が多少遅れることは許容できます。最も適切な対処はどれですか。

  1. A. 同期API側の関数にプロビジョニングされた同時実行を設定し、初期化済みの実行環境を常時確保しておく
  2. B. バッチ用関数に予約済み同時実行の上限を設定し、同期API側の関数にも必要量の予約済み同時実行を割り当てる
  3. C. アカウントの同時実行数のクォータ引き上げをサポートに申請し、上限を大きくして両方の関数が同時に動けるようにする
  4. D. 同期API側の関数のメモリ割り当てを増やして実行時間を短縮し、消費する同時実行数を減らす
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正解:B

A コールドスタートの短縮には有効だが、アカウント全体の同時実行数の奪い合いは解決しない。バッチが枠を使い切る状況は変わらない。

B(正解) 正解。予約済み同時実行は関数ごとの上限であると同時に専用枠でもあるため、バッチの消費量を抑えつつ重要な関数の枠を確保できる。バッチは制限された枠内で時間をかけて処理される。

C 上限を上げてもバッチが先に使い切るという構造は同じであり、規模が大きくなれば同じ障害が再発する。分離の仕組みが必要である。

D 実行時間の短縮は多少効くが、バッチが枠を占有している状況では効果が限定的で、根本的な分離にはならない。

信頼性の改善

Q39. Amazon RDS for PostgreSQLをバックエンドとするアプリケーションを、ECSタスクとLambda関数の両方から利用しています。トラフィック急増時にタスク数とLambdaの同時実行が一斉に増え、データベースがmax_connectionsに到達して「too many connections」エラーが多発します。DBのCPU使用率には余裕があり、フェイルオーバー時の再接続にも時間がかかっています。最小の変更で改善する方法はどれですか。

  1. A. DBインスタンスクラスを一段大きいものに変更してmax_connectionsの上限を引き上げ、接続数の増加に耐えられるようにする
  2. B. アプリケーション側にランダムなスリープを入れて接続要求のタイミングをずらし、失敗時は一定間隔でリトライさせる
  3. C. リードレプリカを追加し、参照系のクエリをレプリカに振り分けてプライマリの負荷を分散する
  4. D. RDS Proxyを導入し、アプリケーションの接続先をプロキシのエンドポイントに変更して接続をプールさせる
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正解:D

A 一時しのぎにはなるが、接続数はクライアント側の増加に比例するため再び上限に到達する。メモリを接続の維持に消費する点も非効率である。

B 接続の総数が減るわけではないため、急増時には同じく上限に達する。全アプリケーションの改修も必要で最小の変更にならない。

C 参照負荷の分散には有効だが、書き込み側の接続枯渇は解消しない。振り分けのためのアプリケーション改修も発生する。

D(正解) 正解。RDS Proxyは多数の短命な接続を集約して少数のDB接続に多重化するため、Lambdaが急激にスケールしても上限に達しにくい。フェイルオーバー時の切り替え時間も短縮される。

信頼性の改善

Q40. 注文処理のマイクロサービスは、外部の配送業者APIを同期で呼び出しています。セール時にリクエストが集中すると外部APIが429を返し、現在の実装は1秒間隔で最大10回リトライするため、同じタイミングで大量の再試行が殺到してさらに状況が悪化します。失敗した注文は担当者が手作業で再投入しており、運用負荷も高い状態です。最も適切な改善はどれですか。

  1. A. 呼び出しをSQSキュー経由の非同期処理に変更し、指数バックオフとジッターでリトライして超過分をDLQに送る
  2. B. リトライ回数を10回から30回に増やし、外部APIが回復するまで粘り強く再試行を続ける設定に変更する
  3. C. リトライ間隔を1秒固定から30秒固定に変更し、再試行の総量を抑えて外部APIの回復を待つようにする
  4. D. 外部API呼び出しを行うタスクの数を増やして並列度を上げ、滞留したリクエストを短時間で処理しきる
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正解:A

A(正解) 正解。キューが流量を平準化し、消費速度を外部APIの許容量に合わせられる。ジッター付きの指数バックオフは再試行の同期を防ぎ、デッドレターキューが手作業の再投入を不要にする。

B 再試行の総量が増えて外部APIへの負荷をさらに高める。呼び出し側のスレッドや実行時間も浪費し、状況を悪化させる典型的な対処である。

C 総量は減るが全クライアントが同じ間隔で再試行するため波が揃い、回復した直後に再び殺到する。間隔をずらすジッターがない点が問題である。

D 429を返している相手に対して並列度を上げれば、スロットリングが悪化するだけで解決にならない。相手側の障害を誘発する恐れもある。

ワークロードの移行とモダナイゼーションの加速

移行評価/計画

Q41. ある企業は、ベンダー製の商用グループウェア製品を自社データセンターで運用しています。カスタマイズはほとんど行っておらず、標準機能のみを使っています。ハードウェア保守契約が6か月後に切れるため、それまでにデータセンターから撤退する必要があります。運用要員は2名しかおらず、アプリケーションの内部構造を理解している技術者は社内にいません。ベンダーは同等機能のSaaS版を提供しており、既存データのインポート機能も用意しています。TCOと運用負荷を最小化する移行戦略はどれですか。

  1. A. サーバーイメージをそのままEC2へリホストし、既存のソフトウェアライセンスをBYOLで持ち込んで、現在と同じ運用手順を継続する
  2. B. アプリケーションをコンテナ化してAmazon ECS上へリプラットフォームし、バックエンドのデータベースをAmazon RDSへ移して運用を自動化する
  3. C. ベンダーが提供するSaaS版へ切り替え、既存データのみを移行する(リパーチェス)
  4. D. 機能単位のマイクロサービスへリファクタリングし、AWS Lambdaを中心としたサーバーレス構成として作り直す
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正解:C

A リホストは最速だが、OSパッチ適用・製品バージョンアップ・バックアップといった運用作業がそのまま残る。要員2名・製品知識なしという制約下では運用負荷が下がらず、ライセンス保守費も継続して発生する。

B リプラットフォームは内部構造の理解と動作検証を前提とする。製品知識を持つ技術者がおらず6か月しかない状況では、ベンダーサポート外の構成になるリスクもあり現実的でない。

C(正解) 正解。カスタマイズがなく同等機能のSaaSが存在する場合、リパーチェス(Drop and Shop)が最短かつ運用負荷が最小になる。インフラ・パッチ・可用性の責任がベンダー側へ移り、少人数体制でも維持できる。

D リファクタは7つの戦略の中で最も工数と期間を要し、業務要件の再定義も必要になる。6か月の期限と要員2名という制約に対して明らかに過剰な選択で、期限内に完了できない。

移行評価/計画

Q42. あるSIerの顧客は、VMware vSphere上で稼働する約2,000台の仮想マシンをAWSへ移行しようとしています。社内の変更管理規定により、既存サーバーへエージェントソフトウェアを導入するには1台ずつ承認が必要で、全台完了には3か月以上かかる見込みです。一方で、移行計画には各VMのCPU/メモリ使用率とサーバー間の通信状況が必要です。また、複数のリージョンへ段階的に移行するため、移行状況を1か所で俯瞰したいと考えています。最も適切な評価フェーズの構成はどれですか。

  1. A. Agentless CollectorをvCenterに配置して収集し、Migration Hubのホームリージョンを1つ設定する
  2. B. 全2,000台のゲストOSへAWS Application Discovery Agentを1台ずつ導入し、プロセス単位・ネットワーク接続単位の詳細データを収集し終えてから移行計画の作成に着手する
  3. C. AWS Migration Hubのホームリージョンを移行先リージョンごとに個別に設定し、リージョン単位で検出データと進捗を管理する
  4. D. AWS ConfigとAmazon CloudWatchのエージェントを利用して構成変更履歴とメトリクスを収集し、そのデータをもとに移行対象のサイジングを決定する
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正解:A

A(正解) 正解。AWS Application Discovery ServiceのAgentless CollectorはOVAとしてvCenterに配置され、ゲストOSへ何も入れずにVM単位の構成情報・CPU/メモリ使用率・通信状況を収集できるため、変更管理の制約を回避できる。AWS Migration Hubはアカウントごとにホームリージョンを1つだけ設定し、そこへ検出データと全リージョンの移行進捗が集約される仕組みになっている。

B エージェントは最も詳細なデータを得られるが、導入自体に3か月以上かかるという前提の制約を無視している。評価フェーズが移行全体のクリティカルパスになってしまう。

C Migration Hubのホームリージョンはアカウントにつき1つだけで、複数設定はできない。集約の前提が成立せず、俯瞰したいという要件も満たせない。

D AWS ConfigはAWSリソースの構成管理サービスでオンプレミスのVMインベントリ収集用途ではない。CloudWatchエージェントも結局ゲストOSへの導入が必要で、変更管理の制約を解決しない。

移行実行/データ転送

Q43. ある企業は、オンプレミスで稼働する約300台のLinuxおよびWindowsサーバーをEC2へ移行します。業務要件として、各サーバーのカットオーバー時の停止時間は15分以内でなければなりません。また、本番環境に影響を与えずに移行後の動作を事前検証し、問題があれば何度でもやり直せる必要があります。アプリケーションのソースコードには手を加えられません。最も適切な移行方式はどれですか。

  1. A. 毎晩サーバーを停止してディスクイメージを取得し、VM Import/ExportでAMI化してEC2を起動する運用を繰り返し、最終回のイメージを本番として採用する
  2. B. AWS Application Migration Service (MGN)で継続レプリケーションを行い、テスト起動を繰り返してからカットオーバーする
  3. C. AWS Server Migration Service (SMS)で増分レプリケーションを設定し、生成されたAMIから移行先のEC2インスタンスを起動する
  4. D. AWS DataSyncでアプリケーションのファイル群をEC2へ同期し、移行先で同じミドルウェアを新規構築してアプリケーションを再デプロイする
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正解:B

A イメージ取得のたびにサーバー停止が必要で、300台分の取得と変換にも時間がかかる。取得時点以降の更新データが失われるため、停止時間15分以内という要件を満たせない。

B(正解) 正解。MGNは各サーバーへ導入したレプリケーションエージェントがブロックレベルで継続的に差分を送り続けるため、カットオーバー時の作業は最終同期とインスタンス起動のみとなり、分単位の停止時間に収まる。テスト起動は隔離サブネット上でレプリケーションを継続したまま何度でも実行でき、ソース環境にも本番にも影響を与えない。アプリケーションの改修も不要である。

C AWS Server Migration Serviceは提供を終了しており、後継のAWS Application Migration Service (MGN)に統合されている。現在は新規の移行に利用できない。

D DataSyncはファイル/オブジェクト転送のサービスで、OS設定やレジストリを含むサーバー全体のリフト&シフトには向かない。300台分の環境再構築は工数も停止時間も膨らむ。

移行実行/データ転送

Q44. ある放送局は、地方の制作拠点に蓄積した500TBの映像アーカイブをAmazon S3へ移行します。拠点の外部回線はインターネット100Mbpsの1本のみで、日中は業務トラフィックと共用しています。新しい専用線を敷設する予算も時間もありません。経営層からは3か月以内にアーカイブをS3へ格納するよう指示されています。最も適切な転送方式はどれですか。

  1. A. S3 Transfer Accelerationを有効化し、インターネット経由でアーカイブ全体を一括アップロードする
  2. B. AWS Direct Connectの1Gbps接続を新設し、AWS DataSyncで全アーカイブを転送する
  3. C. サイト間VPNトンネルを複数本束ねて帯域を確保し、転送を並列化して所要時間を短縮する
  4. D. AWS Snowball Edgeストレージ最適化デバイスを複数台取り寄せてデータをコピーし、返送してS3へ取り込む
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正解:D

A Transfer Accelerationはエッジロケーション経由で長距離の遅延を改善する機能であり、拠点側の物理帯域100Mbpsそのものは増えない。所要日数は依然として500日規模のままとなる。

B 1Gbpsであれば計算上40日前後で転送できるが、専用線の敷設には予算も開通リードタイムも必要という前提条件に反する。一度きりの移行のために回線を新設するのはコスト面でも妥当でない。

C VPNは物理回線100Mbpsの上に構成されるため、トンネルを増やしても総帯域の上限は変わらない。暗号化オーバーヘッドの分だけ実効スループットはむしろ低下する。

D(正解) 正解。500TB = 500 × 1024^4 × 8 ≒ 4.4×10^15ビット、100Mbps = 1×10^8 bpsで割ると約4.4×10^7秒 ≒ 509日となり、3か月では到底終わらない。物理搬送するSnowball Edgeが唯一現実的で、複数台を並行して使えば数週間で完了する。なお、Snowball Edgeは2025年11月に新規注文の受付を終了し、2026年12月末で全商用リージョンでのサポート終了が告知されている(後継はオンライン転送がDataSync、物理搬送がAWS Data Transfer Terminalやパートナーソリューション)。試験ガイドには引き続き掲載されているため出題を維持している。

移行評価/計画

Q45. ある製造業の情報システム部門は、社内データセンターの全面クラウド移行を経営会議に提案する準備をしています。役員からは「現在のオンプレミス総コストと、AWSへ移行した場合の想定コストを同じ土俵で比較した資料」を1か月以内に求められました。対象は約600台のサーバーで、Windows ServerとSQL Serverのライセンス費用も含めた比較が必要です。最も適切なアプローチはどれですか。

  1. A. AWS Pricing Calculatorに想定インスタンスタイプと台数を手作業で入力して見積もりを作成し、オンプレミス側の費用は会計システムの数値をそのまま使う
  2. B. Migration EvaluatorのCollectorをオンプレミス環境に導入して使用率とライセンス情報を収集し、現行TCOとAWS移行後の想定コストを対比したビジネスケースを作成する
  3. C. AWS Compute Optimizerの推奨事項を確認し、右サイジング後のコストをオンプレミスの費用と比較する
  4. D. AWS Trusted Advisorのコスト最適化チェックを実行し、指摘された削減額をもとに移行効果を算出する
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正解:B

A 600台分の実使用率を反映しない手入力の見積もりは過大サイジングになりやすく、オンプレミス側も減価償却・電力・保守・ライセンスを網羅できない。比較の妥当性を役員に説明できない。

B(正解) 正解。Migration Evaluator(旧TSO Logic)は実測の使用率とライセンス状況をもとに、オンプレミスの総保有コストとAWS上の推奨インスタンス・想定コストを並べたビジネスケースレポートを生成する。経営層向けの投資判断資料を短期間で用意する用途に合致する。

C Compute OptimizerはすでにAWS上で稼働しているEC2やLambdaなどのメトリクスを分析するサービスで、まだ移行していないオンプレミスサーバーの評価には使えない。

D Trusted Advisorは既存のAWSアカウント内の未使用リソースなどを指摘するもので、オンプレミスのTCOは対象外。移行前の比較資料の根拠にはならない。

移行実行/データ転送

Q46. ある企業は、オンプレミスのNFSファイラーに保存された40TBの設計データをAWSへ移行します。移行期間中もオンプレミス側が正であり、日々更新される差分を毎晩AWSへ反映し続ける必要があります。拠点の回線は500Mbpsですが、日中は業務で使うため転送に割り当てられるのは夜間の200Mbpsまでと決められています。また、転送後にデータが破損していないことを機械的に確認する必要があります。最も適切な方式はどれですか。

  1. A. オンプレミスにAWS DataSyncエージェントを配置し、帯域スロットルを設定したタスクを夜間スケジュールで実行して増分同期と整合性検証を行う
  2. B. EC2インスタンス上でrsyncスクリプトをcron実行し、VPN経由でオンプレミスNFSからEBSボリュームへ同期する
  3. C. オンプレミスにAmazon S3 File Gatewayを配置し、既存NFSクライアントの向き先をゲートウェイへ変更して書き込みをS3へ流す
  4. D. Snowball Edgeデバイスを常設し、毎晩の差分データをコピーして週次で返送するサイクルを繰り返す
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正解:A

A(正解) 正解。DataSyncはタスク単位で帯域上限(スロットル)とスケジュールを設定でき、2回目以降は差分のみを転送する。転送データのチェックサム検証も標準機能として備えており、要件をすべて満たす。

B rsyncでも差分同期は可能だが、帯域制御・並列化・再試行・検証レポートをすべて自作・運用する必要がある。マネージドサービスで満たせる要件をわざわざ内製する妥当性がない。

C File Gatewayはハイブリッドなファイルアクセスを提供する仕組みで、既存ファイラー上にある40TBの一括移送手段ではない。クライアントの向き先変更も移行期間中はオンプレミスが正という前提と衝突する。

D 毎晩の差分程度であれば夜間200Mbpsで十分転送でき、物理搬送は遅延とオペレーション負荷を増やすだけになる。Snowballは初回一括のような大容量向けの手段である。

移行実行/データ転送

Q47. ある金融機関は、物理テープライブラリを使った日次バックアップを運用しており、テープは外部倉庫で7年間保管しています。倉庫費用とテープ交換作業の負荷を削減したいものの、監査対応の都合で既存のバックアップソフトウェアと運用手順(ジョブ定義、リテンションポリシー)は変更したくありません。長期保管分のストレージコストは最小化したいと考えています。最も適切な構成はどれですか。

  1. A. AWS Storage Gatewayの保管型ボリュームゲートウェイを導入し、バックアップ先のディスクボリュームをAWSへスナップショットする
  2. B. Amazon S3 File Gatewayを導入し、バックアップソフトウェアの出力先をSMB共有へ変更してバックアップファイルをS3へ書き出す
  3. C. AWS Backupを利用してオンプレミスのサーバーを直接バックアップし、コールドストレージへのライフサイクルを設定する
  4. D. AWS Storage GatewayのTape Gatewayを導入し、仮想テープをS3 Glacier Deep Archiveへアーカイブする
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正解:D

A 保管型ボリュームはプライマリデータをオンプレミスに保持し続けるため、テープ運用の置き換えにはならず、バックアップソフトのテープジョブ定義もそのままでは使えない。

B ディスクバックアップ構成へ切り替えることになり、既存のテープジョブ定義とリテンション管理を作り直す必要がある。運用手順を変更したくないという要件に反する。

C AWS Backupは既存のバックアップソフトウェアを置き換える方向の選択で、ジョブ定義や監査済みの運用手順を維持できない。テープライブラリの互換性も提供しない。

D(正解) 正解。Tape Gatewayは既存のバックアップソフトウェアからiSCSI接続の仮想テープライブラリ(VTL)として見えるため、監査済みのジョブ定義もリテンションポリシーも変更せずにそのまま利用できる。アーカイブ済みの仮想テープはS3 Glacier Deep Archive相当の階層に保管され、物理テープの外部倉庫保管費用とテープ交換作業の両方を削減できる。

移行評価/計画

Q48. ある企業は、Windows ServerとSQL Server Enterprise Editionで稼働する基幹システムをAWSへ移行します。保有しているSQL Serverライセンスはソフトウェアアシュアランスが付帯していない旧契約で、ライセンス条項上「物理コア単位でカウントし、専有された物理サーバー上で稼働させること」が求められます。監査に備えて、どの物理ホストで何コア分を消費しているかを追跡できる仕組みも必要です。最も適切な構成はどれですか。

  1. A. 共有テナンシーのEC2インスタンスでBYOLとしてSQL Serverを稼働させ、インスタンスのvCPU数をもとにライセンス消費を集計する
  2. B. Dedicated InstanceでSQL Serverを稼働させ、インスタンス単位でライセンスを割り当てて管理する
  3. C. EC2 Dedicated Host上でライセンス持ち込みのインスタンスを起動し、AWS License Managerのライセンス設定でコア数上限とホストへの割り当てを追跡する
  4. D. ライセンス込み(License Included)のAmazon RDS for SQL Serverへ移行し、保有ライセンスは解約してAWS側の課金へ一本化する
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正解:C

A 共有テナンシーでは物理サーバーが専有されず、物理コア単位のライセンス条項を満たせない。vCPU数からの集計も監査で求められる物理コアの根拠にならない。

B Dedicated Instanceはハードウェアが他アカウントと共有されない点は満たすが、物理ソケット数やコア数の可視性・特定ホストへの固定ができないため、物理コア単位のBYOL要件には不足する。

C(正解) 正解。Dedicated Hostは物理ソケット/コアが可視化され、インスタンスを特定ホストへ固定できるため、物理コア単位・専有要件のBYOLに対応できる。License Managerのライセンス設定でコア上限を定義すれば、超過起動の防止と消費状況の追跡が可能になる。

D 運用としては簡素になるが、保有済みライセンスを活用したいという前提を無視しており、コスト面でも二重負担や資産の切り捨てが発生する。設問は既存ライセンスの持ち込み方を問うている。

移行実行/データ転送

Q49. ある企業は、データセンターに保管された300TBの解析データをAmazon S3へ移行します。データセンターとAWS間には移行専用に確保した1GbpsのAWS Direct Connect接続があり、プロトコルオーバーヘッド等を考慮した実効スループットは公称値の80%程度と見積もられています。移行期限は8週間後で、移行期間中もデータは日々追加されるため差分の追随が必要です。最も適切な方式はどれですか。

  1. A. AWS Snowball Edgeを8台発注してデータをコピー・返送し、S3への取り込み完了後に不足分を手作業でアップロードする
  2. B. AWS DataSyncでDirect Connect経由の初回一括転送を行い、その後はスケジュールタスクで差分同期を継続する
  3. C. S3 Transfer Accelerationを有効化し、インターネット回線経由で全データを並列アップロードする
  4. D. Storage Gatewayの保管型ボリュームゲートウェイを構成し、ボリュームのスナップショットをAWS側へ非同期で転送する
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正解:B

A デバイスの発送・コピー・返送・取り込みには往復で数週間かかるうえ、期間中の差分追随は別の仕組みが必要になる。専用に確保した1Gbps回線が期限内に十分間に合うため、物理搬送を選ぶ理由がない。

B(正解) 正解。300TB = 300 × 1024^4 × 8 ≒ 2.64×10^15ビット、実効帯域は1Gbps × 0.8 = 8×10^8 bps。2.64×10^15 ÷ 8×10^8 ≒ 3.30×10^6秒 ≒ 38日となり、8週間(56日)の期限に収まる。DataSyncなら初回転送後に差分同期をスケジュール実行でき、追加データにも追随できる。

C すでに移行専用のDirect Connect接続が確保されているのに、あえて品質の保証されないインターネット経路を使う理由がない。データ転送料も増え、帯域の予測も立てにくくなる。

D 保管型ボリュームはオンプレミスにプライマリデータを保持し続ける構成で、データセンターからの完全移行手段ではない。S3のオブジェクトとして解析データを配置したいという目的にも合わない。

移行実行/データ転送

Q50. ある企業は、オンプレミスのWindowsファイルサーバー(合計20TB)をAWSへ移行します。共有はSMBで提供されており、NTFSのACLによる細かなアクセス制御、ユーザークォータ、DFS名前空間を利用しています。認証は既存のオンプレミスActive Directoryで行っており、移行後も同じユーザーアカウントでアクセスできる必要があります。ファイルの所有者情報とACLは移行後も保持されなければなりません。最も適切な構成はどれですか。

  1. A. Amazon S3 File Gatewayを導入して既存ファイルサーバーの内容をS3へ移し、クライアントからはゲートウェイのSMB共有経由でアクセスさせる
  2. B. Amazon EFSへデータを移行し、Windowsクライアントからはマウント設定を配布してアクセスさせる
  3. C. EC2上にWindows Serverを構築してファイルサーバーの役割をリホストし、ディスクをEBSで拡張しながら自社で運用を継続する
  4. D. Amazon FSx for Windows File Serverを既存ADと連携させて構築し、AWS DataSyncで移行する
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正解:D

A File GatewayはS3をバックエンドとするため、NTFSのフルセットのACL・クォータ・DFS名前空間といったWindowsファイルサーバー固有の機能を再現できない。オブジェクトストレージ前提の制約も残る。

B EFSはNFS(POSIX)ベースのファイルシステムでSMBおよびNTFS ACLをネイティブにサポートしない。Windowsファイルサーバーの移行先としては要件を満たさない。

C 機能要件は満たせるが、OSパッチ・可用性構成・バックアップ・容量拡張をすべて自社運用することになる。マネージドサービスで同等機能が提供される以上、運用負荷の観点で最適解ではない。

D(正解) 正解。FSx for Windows File ServerはSMB、NTFS ACL、ユーザークォータ、DFS名前空間をネイティブにサポートする。既存のオンプレミスADへセルフマネージドAD参加として直接joinさせることも、AWS Managed Microsoft ADとの信頼関係を介すこともできるため、同じユーザーアカウントでのアクセスが継続できる。DataSyncはSMB転送時にACLと所有者情報を保持したまま移送できる。

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