AWS Certified Cloud Practitioner(CLF-C02)の勉強方法と試験対策
最終更新:2026-08-02
CLFはどんな試験か
AWS Certified Cloud Practitioner(試験コード:CLF-C02)は、Amazon Web Servicesが提供するAWS認定の中で最も入門的なファンダメンタルレベルの資格です。特定の職種に依存せず、AWSクラウド全般の知識を持っていることを証明します。そのため、次のような方に向いています。
- クラウドをこれから学び始める方、IT未経験からクラウド分野を目指す方
- エンジニア以外で、AWSを扱う現場と会話する必要がある営業・企画・管理部門の方
- いずれSAA(ソリューションアーキテクト アソシエイト)を目指しており、前段として用語と全体像を固めたい方
公式試験ガイドは、想定受験者をAWSクラウドの設計・実装・運用の経験が6か月以下の方と定義しています。「6か月以上の実務経験が要る」という意味ではなく、経験が浅い段階の方を想定した試験だという位置づけです。あわせてコーディング、クラウドアーキテクチャの設計、トラブルシューティング、実装、負荷・パフォーマンステストは「対象外の業務」と明記されています。手を動かして構築できることではなく、「どのサービスが何のためにあるか」を説明できることが問われる試験だと考えてください。
試験の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | AWS Certified Cloud Practitioner(CLF-C02) |
| 実施団体 | Amazon Web Services |
| レベル | ファンダメンタル(入門) |
| 受験料 | 100 USD(円建て価格は為替により変動するため、公式サイトで最新価格を要確認) |
| 問題数 | 65問(うち採点対象は50問、採点対象外は15問。どれが採点対象外かは試験中に表示されない) |
| 制限時間 | 90分 |
| 合格ライン | 100〜1,000のスケールドスコアで700以上 |
| 出題形式 | 択一選択(4つの選択肢のうち正解1つ)と複数選択(5つ以上の選択肢のうち正解2つ以上) |
| 受験方式 | テストセンターまたはオンライン監督付き(ピアソンVUE) |
| 言語 | 日本語を含む13言語 |
| 有効期限 | 3年間 |
| 再受験 | 不合格時は14日後から。回数制限なしだが受験ごとに全額の受験料が必要 |
65問・90分であれば1問あたり平均83秒です。CLFは設問が短く、時間そのものが厳しくなることは多くありませんが、複数選択問題で迷うと時間を消費します。
採点で押さえておきたいのは次の2点です。ひとつは合格ラインの700は「正答率70%」ではないこと。100〜1,000に変換されたスケールドスコアであり、複数の試験フォーム間で難易度差を吸収するための仕組みです。演習では余裕を持って正答率80%前後を目安にしてください。もうひとつは補償的採点モデルが採用されている点で、ドメインごとに合格ラインが設定されているわけではなく、全体で合格すれば問題ありません。苦手ドメインを捨てるという意味ではありませんが、1ドメインの出来だけで不合格が確定することはありません。
上記は2026年8月時点の情報です。最新の情報は公式サイトでご確認ください。受験料・提供言語・ポリシーは変更される場合があります。詳細は公式のAWS Certified Cloud Practitionerページと公式試験ガイド(CLF-C02)、再受験の条件は受験後のポリシーをご参照ください。
出題範囲
出題範囲は次の4ドメインに分かれ、採点対象コンテンツに占める配分(%)が定められています。配分はそのまま学習時間の目安になります。
クラウドの概念(Cloud Concepts・24%)
AWSクラウドの価値、設計原則、移行、クラウドエコノミクスの4つのタスクで構成されます。具体的には、グローバルインフラストラクチャがもたらす利点、高可用性・弾力性・俊敏性の違い、AWS Well-Architected Frameworkの6本の柱(運用上の優秀性、セキュリティ、信頼性、パフォーマンス効率、コスト最適化、持続可能性)、AWS Cloud Adoption Framework(AWS CAF)、そして固定費と変動費の違い・オンプレミス環境に伴うコスト・BYOLと込みのライセンスの違い・ライトサイジング・規模の経済といった経済性の論点が問われます。
ここは技術ではなく考え方を問う領域です。用語を暗記するだけでも得点になりますが、「なぜクラウドだとコストが下がるのか」を自分の言葉で説明できる状態を目指すと、シナリオ形式の設問にも対応できます。
セキュリティとコンプライアンス(Security and Compliance・30%)
2番目に配分が大きく、責任共有モデル、セキュリティとガバナンス、アクセス管理、セキュリティ関連リソースの4タスクが対象です。責任共有モデルでは、AWS側の責任(クラウド「の」セキュリティ)と利用者側の責任(クラウド「における」セキュリティ)の切り分けに加えて、EC2・RDS・Lambdaのようにサービスの抽象度によって境界が動くという論点が明示されています。アクセス管理ではIAMのユーザー・グループ・ポリシー、最小権限の原則、ルートユーザーの保護とルートユーザーしか実行できない操作、MFA、IAM Identity Centerが中心です。
加えて、AWS Artifact(コンプライアンスレポート)、GuardDuty・Inspector・Security Hub・Shield・WAFといったセキュリティサービス、CloudTrail(APIコールの監査)とCloudWatch(メトリクスとログの監視)とAWS Config(構成の記録と評価)の役割分担が頻出です。試験ガイドではこれらに加えてAWS Audit ManagerとAWS Firewall Managerも名指しされています。名前が似たサービスの用途を1行で言い分けられるかが得点の分かれ目になります。
クラウドテクノロジーとサービス(Cloud Technology and Services・34%)
最大配分のドメインで、8つのタスクに細分化されています。デプロイと運用の方法(マネジメントコンソール/CLI・SDKなどのプログラムによるアクセス/IaC、およびクラウド・ハイブリッド・オンプレミスの各デプロイモデル)、リージョン・アベイラビリティーゾーン・エッジロケーションの関係、コンピューティング(EC2のインスタンスタイプ、ECS/EKS、Fargate/Lambda、Auto Scaling、ロードバランサー)、データベース(RDS/Aurora、DynamoDB、ElastiCache、DMS/SCT)、ネットワーク(VPCの構成要素、セキュリティグループとネットワークACL、Route 53、VPNとDirect Connect)、ストレージ(S3のストレージクラス、EBSとインスタンスストア、EFS/FSx、Storage Gateway、ライフサイクルポリシー、AWS Backup)、AI/MLと分析(SageMaker AI、Lex、Kendra、Athena、Kinesis、Glue、QuickSight)、その他カテゴリ(SNS/SQS/EventBridge、CodeBuild/CodePipeline/X-Ray、WorkSpaces、Amplify、IoT Coreなど)が対象です。
範囲は広いものの、求められる深さは「用途を選べる」レベルです。サービス名と一言説明の対応表を自分で作るのが最短ルートで、EBSとEFSとS3、SNSとSQSのような対概念を「ブロックかファイルかオブジェクトか」「プッシュかプルか」といった軸で整理すると混同しません。
請求・料金・サポート(Billing, Pricing, and Support・12%)
料金モデル(オンデマンド、リザーブドインスタンス、スポットインスタンス、Savings Plans、Dedicated Hosts、Dedicated Instances、キャパシティ予約)、コスト管理ツール(AWS Budgets、Cost Explorer、AWS Pricing Calculator、Organizationsの一括請求、コスト配分タグ、AWS Cost and Usage Report)、技術リソースとサポート(AWS Support、Trusted Advisor、AWS Health Dashboard、re:Post、AWS Marketplace、AWS Partner Network)が問われます。
配分は最小ですが暗記色が強く得点源にしやすい領域です。特にリザーブドインスタンスとSavings Plansとスポットの使い分け、データ転送料金(受信と送信、リージョン間と同一リージョン内)は繰り返し出ます。
なお、現行のCLF-C02試験ガイドはタスク4.3の中で、サポートオプションとしてDeveloper・Business・Enterprise On-Ramp・Enterpriseの各プランを名指しで挙げています。一方で実サービス側ではDeveloper・Business・Enterprise On-Rampの3プランが2027年1月1日で提供終了となることが案内されており、移行先はDeveloper/BusinessがBusiness Support+、Enterprise On-RampがEnterprise Supportです(AWS GovCloud (US) リージョンでは3プランとも継続)。Enterprise Supportは存続します。このように試験ガイドと実サービスで差が生じているため、試験対策としては試験ガイドに記載された区分を押さえるのが確実ですが、今後の試験ガイド改訂で扱いが変わる可能性があります。受験前に公式試験ガイドの最新版を確認してください。
勉強法・学習ロードマップ
CLFは「広く浅い」試験です。1つのサービスを深掘りするより4ドメインを一巡させてから精度を上げる進め方が向いています。学習期間の目安は、クラウドがほぼ未経験の方で週5〜10時間を1〜2か月、業務でAWSに触れている方で2〜3週間程度ですが個人差が大きく、模擬演習で安定して合格圏に入っているかを受験時期の判断材料にするほうが確実です。
ステップ1:クラウドの前提とAWSの全体像をつかむ
まず、オンプレミスと比べてクラウドが何を変えたのか、リージョンとアベイラビリティーゾーンがなぜ分かれているのかという前提を理解します。ここが曖昧なままサービス名の暗記に進むと、シナリオ形式の設問で選択肢を絞れません。AWS無料利用枠でアカウントを作り、EC2インスタンスを1台起動してS3にファイルを1つ置いてみるだけでも、以降の理解速度が変わります(意図しない課金を避けるため、検証後は必ずリソースを削除してください)。
ステップ2:公式の無料リソースで範囲を埋める
出題範囲に沿って知識の抜けを埋めます。優先すべきは一次情報で、以下はいずれも無料で利用できます。
- CLF-C02 公式試験ガイド — タスクステートメントがそのまま学習チェックリストになります。出題対象サービス・対象外サービスの一覧も掲載されています
- AWS Skill Builder の試験準備プラン(CLF-C02) — 標準(Standard)コースは無料で利用できます。拡張(Enhanced)コースや公式練習問題はサブスクリプション対象です。提供言語はコースごとに異なるため、日本語版の有無は各コースのページでご確認ください
- AWS Cloud Practitioner 向けトレーニング一覧 — 無料のデジタルトレーニングやゲーム形式のAWS Cloud Questへの入口です
- 責任共有モデル(公式解説) — 配分30%のドメイン2の中核です
- AWS Well-Architected Framework(日本語) — 6本の柱の定義は原典で確認するのが確実です
ステップ3:問題演習で知識を「選べる形」に変える
資料を読んで分かったつもりでも、似たサービス名を並べられると選べない——これはCLFで最も起きやすいギャップです。範囲を一巡した直後から演習に入り、正答率よりも間違えた問題について「なぜ他の選択肢が誤りなのか」を説明できるようにすることを重視してください。特にCLFは、正解のサービスは知っていても誤答側のサービスを知らないまま消去法が使えず落とす、というパターンが目立ちます。
トキヌクでもCLF向けのオリジナル問題を220問(うち30問は登録なしで無料)提供しています。実際の出題イメージはサンプル問題のページで解説まで読めます。演習教材を選ぶ際は、実試験の問題を流用していないことと、誤答選択肢にも解説があることを基準にすると選びやすくなります。
ステップ4:仕上げ(直前1〜2週間)
本番を想定した65問・90分で通しの模擬演習を行い、時間配分を確認します。合格圏に届かない場合はドメイン別の正答率を見て、落ちているドメインだけを重点復習してください。配分34%の「クラウドテクノロジーとサービス」と30%の「セキュリティとコンプライアンス」で崩れていると総合点に響きやすいので、優先順位はここから付けます。
受験環境の準備も忘れずに。オンライン受験の場合は有効な顔写真付き身分証明書と安定した回線、机上に余計な物を置かない環境が必要です。結果は試験終了後5営業日以内にAWS認定アカウントへ掲載されます(多くの場合はもっと早く通知されます)。合格後の認定は3年間有効です。更新(再認定)の方法は公式に4つ用意されており、無料のゲーム形式トレーニング「AWS Cloud Quest: Recertify Cloud Practitioner」を修了する/同じ試験の最新版に合格する/アソシエイトレベルの試験のいずれかに合格する/プロフェッショナルレベルの試験のいずれかに合格するのどれかを満たせば、その時点から3年間延長されます(スペシャルティ試験は再認定の対象外です)。試験で再認定する場合は、AWS認定アカウントで発行される50%割引バウチャーを利用できます。
よくある質問
IT未経験でもCLFに合格できますか?
CLFはAWS認定の中で最も入門的なファンダメンタルレベルで、コーディングやアーキテクチャ設計、トラブルシューティングは試験ガイド上「対象外の業務」と明記されています。エンジニア以外の営業・企画職の方も対象に含まれる試験なので、未経験からでも十分に狙えます。ただしサービス名と役割の対応付けは暗記量があるため、学習時間そのものは必要です。
CLFの学習時間の目安はどれくらいですか?
公式が学習時間を公表しているわけではありませんが、目安としてIT・クラウドがほぼ未経験の方で週5〜10時間を1〜2か月、業務でAWSに触れている方で2〜3週間程度です。公式試験ガイドは想定受験者を「AWSクラウドの設計・実装・運用の経験が6か月以下の方」としており、一定以上の実務経験を前提にした試験ではありません。期間よりも、模擬演習で安定して合格圏に入っているかを受験時期の判断材料にしてください。
CLFは日本語で受験できますか?
日本語を含む13言語で提供されており、日本語で受験できます。なお英語で受験する場合、英語を母語としない受験者は申請により試験時間を30分延長できる制度(ESL+30)がありますが、日本語で受験する場合は対象外です。最新の提供言語は公式サイトでご確認ください。
CLFとSAAはどちらを先に受けるべきですか?
CLFはSAA(ソリューションアーキテクト アソシエイト)の前提資格ではないため、いきなりSAAを受験することもできます。すでに実務でAWSを扱っている方はSAAから始めても問題ありません。一方、クラウド自体が初めての方は、サービスの全体像と用語をCLFで固めてからSAAへ進むほうが遠回りになりません。なおアソシエイトレベルまたはプロフェッショナルレベルの試験に合格すると、CLFの再認定要件も満たせます(スペシャルティ試験は再認定の対象外です)。
不合格だった場合はいつ再受験できますか?
不合格の場合、再受験できるのは14日後からです。受験回数の上限はありませんが、受験ごとに毎回全額の受験料が必要になります。逆に一度合格すると、同じ試験は2年間受け直せません。ポリシーは変更される場合があるため、詳細は公式の受験後ポリシーをご確認ください。
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トキヌクはAWS CLF対策のオリジナル問題を全220問収録(30問は登録なしで無料)。全選択肢に「なぜ正解か・なぜ違うか」の解説付きで、弱点テーマに合わせた出題で効率よく仕上げられます。
AWS CLFの演習を無料で始める →AWS CLF問題集の詳細 → サンプル問題30問を読む →
本記事は学習の参考情報であり、合格を保証するものではありません。試験の仕様(受験料・出題範囲等)は変更されることがあります。必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。本サービスは非公式の学習教材であり、各認定団体とは提携・承認・後援関係にありません。試験名は各団体の商標または登録商標です。
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