AZ-900(Microsoft Azure Fundamentals)対策ガイド ― 出題範囲・勉強法・学習ロードマップ
最終更新:2026-08-02
AZ-900はどんな試験か
AZ-900(Microsoft Azure Fundamentals)は、Microsoftの入門レベル認定資格「Microsoft Certified: Azure Fundamentals」を取得するための試験です。公式ページはこの認定を「Azureのキャリアに向けた一般的な出発点」と位置づけており、Azureを扱う仕事に進むうえで最初に置かれるマイルストーンにあたります。
試験の性格をひとことで言えば、「作れること」ではなく「説明できること」を問う試験です。出題範囲の見出しがすべて「〜について説明する」で統一されている点にそれが表れています。仮想マシンを構築したり、コードを書いたりするスキルは求められません。代わりに、クラウドとは何か、Azureにはどんなサービスがあってどれをいつ選ぶのか、コストとガバナンスをどう管理するのか、を言葉で説明できる状態が求められます。
その一方で、名称の「Fundamentals」から想像するほど範囲は狭くはなく、Compute・ネットワーク・ストレージ・ID・セキュリティ・コスト管理・ガバナンス・監視まで、Azureの主要領域が薄く広く並びます。暗記すべきサービス名の数が多いのがこの試験の実質的な難所です。
試験の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験コード | AZ-900 |
| 認定資格名 | Microsoft Certified: Azure Fundamentals |
| レベル | 初級(Fundamentals) |
| 出題範囲の版 | 2026年7月20日現在のスキル |
| 合格スコア | 700(1000点満点のスケールスコア) |
| 試験時間 | 45分(着席時間の目安は65分) |
| 問題数 | 公式には非公開。Microsoftは「ほとんどの試験は40〜60問だが試験により異なる」と案内 |
| 出題形式 | 試験の安全性確保のため事前非公開。公式の試験サンドボックスで体験可能。試験ページには「試験の一環として対話型コンポーネントを完了しなければならない場合があります」との注記あり |
| 提供言語 | 日本語を含む13言語(英語・日本語・簡体中国語・韓国語ほか) |
| 受験料 | 公式サイトで要確認(「試験が監督されている国または地域に基づく価格」とされ、公式ページ上で日本円の金額は明示されていません) |
| 認定の有効期限 | なし(基礎認定は失効せず、更新も不要) |
| 再受験 | 1回目の受験から24時間後に再受験可能(2回目以降は待機期間が異なる) |
| 申し込み | Microsoft Learnの試験ページからピアソンVUEで予約(学生・教師はCertiport経由も可) |
試験時間の45分はAZ-900の試験ページに明記された値で、着席時間65分は試験期間と試験エクスペリエンスのページにあるFundamentals試験共通の値です。この45分には休憩用の5分が組み込まれていますが、休憩中もタイマーは止まりません。さらに、休憩を挟むと休憩前に表示した問題には戻れなくなります。45分は決して長くないので、原則として休憩は取らずに解き切る前提で臨むのが安全です。
もうひとつ押さえておきたいのが、Fundamentals試験では試験中にMicrosoft Learnを参照できないことです。この機能はアソシエイトやエキスパートといったロールベースの試験にのみ用意されており、調べながら解くことはできません。なお予約時の注意として、Microsoftは個人のMSAアカウントでの登録を強く推奨しています。組織(職場・学校)のアカウントで登録すると、その組織を離れたときに試験記録が失われ、復旧できません。
本記事は2026年8月時点の情報です。受験料や提供言語を含め、最新の情報はMicrosoft Learn の AZ-900 試験ページおよびAZ-900 学習ガイドでご確認ください。
出題範囲
出題範囲は学習ガイド(Skills Measured)が正で、現行版は2026年7月20日現在のスキルです。3つのドメインとその比率は次のとおりです。
- クラウドの概念について説明する(25〜30%)
- Azureのアーキテクチャとサービスについて説明する(35〜40%)
- Azureの管理とガバナンスについて説明する(30〜35%)
なお2026年7月20日の改訂は、コンピューティング/ネットワークサービス、リソースの管理とデプロイのツール、監視ツールの3項目が「軽微」な変更にとどまり、ドメイン構成も比率も変わっていません。少し前の教材でも骨格は流用できますが、サービス名の改称には注意が必要です。
クラウドの概念について説明する(25〜30%)
Azure固有ではない、クラウド全般の一般論を問う領域です。3つの塊に分かれます。
- クラウドコンピューティングの定義:共同責任モデル、パブリック/プライベート/ハイブリッドの各クラウドモデルとその適したユースケース、従量課金モデル、クラウドの価格モデルの比較、サーバーレス。
- クラウドを使う利点:高可用性とスケーラビリティ、信頼性と予測可能性、セキュリティとガバナンス、管理の容易さ。用語の定義そのものより、「この利点はどれに当たるか」を判断させる問い方が中心になります。可用性と信頼性、スケーラビリティと弾力性の区別は特に混同しやすい箇所です。
- クラウドサービスの種類:IaaS・PaaS・SaaSそれぞれの説明と、適したユースケースの識別。
Azureのアーキテクチャとサービスについて説明する(35〜40%)
配点が最も大きく、覚えるサービス名も最も多い領域です。4つの塊に分かれます。
- コアアーキテクチャコンポーネント:リージョン、リージョンペア、ソブリンリージョン、可用性ゾーン、データセンター、リソースとリソースグループ、サブスクリプション、管理グループ、そしてリソースグループ→サブスクリプション→管理グループの階層。この階層は後段のガバナンス(Policyやロックの適用範囲)と直結するため、最初に固めておくと後が楽になります。
- コンピューティングとネットワーク:コンテナー・仮想マシン・関数の比較、Azure Virtual Machines/Virtual Machine Scale Sets/可用性セット/Azure Virtual Desktopといった仮想マシンのオプション、仮想マシンに必要なリソース、アプリケーションホスティングの選択肢、仮想ネットワーク(サブネット、ピアリング、Azure DNS、Azure VPN Gateway、ExpressRoute)、パブリックエンドポイントとプライベートエンドポイント。
- ストレージ:各Storageサービスの比較、ストレージ層(アクセス層)、冗長性オプション、ストレージアカウントの種類、AzCopy/Azure Storage Explorer/Azure File Syncといったファイル移動の手段、Azure MigrateやAzure Data Boxによる移行。LRS・ZRS・GRS・GZRSの違いは頻出の論点で、「どこまでの障害に耐えられるか」で整理すると混乱しません。
- ID、アクセス、セキュリティ:Microsoft Entra IDとMicrosoft Entra Domain Services、SSO・多要素認証・パスワードレスといった認証方法、外部ID、条件付きアクセス、ロールベースのアクセス制御(RBAC)、ゼロトラスト、多層防御モデル、Microsoft Defender for Cloud。Azure AD は Microsoft Entra ID に改称済みのため、古い教材の表記には注意してください。
Azureの管理とガバナンスについて説明する(30〜35%)
お金と統制、そして運用ツールの領域です。4つの塊に分かれます。
- コスト管理:コストに影響する要因、料金計算ツール(Pricing Calculator)、Azureのコスト管理機能、タグの目的。
- ガバナンスとコンプライアンス:AzureにおけるMicrosoft Purviewの目的、Azure Policyの目的、リソースロックの目的。「Policyは何を許すか/RBACは誰に許すか/ロックは何を防ぐか」の役割分担が問われます。
- リソースの管理とデプロイ:Azureポータル、Azure Cloud Shell・Azure CLI・Azure PowerShell、Azure Arcの目的、コードとしてのインフラストラクチャ(IaC)、Azure Resource Manager(ARM)とARMテンプレート。
- 監視ツール:Azure Advisorの目的、Azure Service Health、そしてLog Analytics・Azure Monitorアラート・Application Insightsを含むAzure Monitor。Advisor(推奨事項)とService Health(障害・計画メンテナンスの通知)とMonitor(メトリックとログ)の使い分けが定番の論点です。
公式の注記によれば、箇条書きは「そのスキルをどのようにして評価するかを説明することを目的」としたもので、関連するトピックも出題され得ます。また出題の大半はGA済み機能が対象ですが、広く使われているプレビュー機能が問われることもあります。
勉強法・学習ロードマップ
AZ-900は公式の無料教材だけで合格圏に到達できる、数少ない試験のひとつです。市販書に手を広げる前に、まず公式教材を一周してください。
ステップ1:無料のラーニングパスでドメインを1つずつ潰す。Microsoft Learnの「クラウドインフラストラクチャの概要」(4部構成のシリーズ)が、そのまま出題ドメインに対応しています。パート1「クラウドの概念について説明する」(3モジュール)がドメイン1、パート2「Azureのアーキテクチャとサービスの説明」がドメイン2、パート3「Azureの管理とガバナンスについて説明する」がドメイン3です。すべて日本語版があり、無料です。公式も「試験AZ-900の準備をしている場合は、シリーズのすべてのラーニングパスを完了します」と案内しています。
ステップ2:Azureの無料アカウントで実際に触る。AZ-900の出題範囲はすべて「〜について説明する」で構成されており、リソースを構築するスキルそのものが採点対象になるわけではありません。ただし公式の試験ページには「試験の一環として対話型コンポーネントを完了しなければならない場合があります」との注記があり、画面操作にまったく触れずに済むとは限りません。加えて、ポータルを一度も見ずに用語だけ覚えると、リソースグループとサブスクリプションの関係のような「画面を見れば一目でわかること」が最後まで曖昧なまま残ります。Azureは最大30日間無料で試せるほか、12か月間無料のサービスと常時無料のサービスも用意されているので、リソースグループを作り、仮想マシンを1台立て、コスト管理画面と料金計算ツールを開くところまでを一度通しておくと、記憶の定着が段違いになります。シリーズのパート4「ガイド付きプロジェクトでAzureスキルを適用する」も、この目的に使えます。
ステップ3:問題演習でサービス名の弁別を仕上げる。この試験の失点は、知らない知識より「似たサービスの取り違え」から生まれます。Advisor と Service Health、Policy と RBAC とリソースロック、可用性ゾーンとリージョンペア、LRS と ZRS と GRS ——このあたりは読むだけでは区別がつかず、選択肢に並べられて初めて曖昧さが露呈します。演習で間違えた組み合わせをメモし、違いを一行で言えるようにしてから次に進んでください。トキヌクでもAZ-900対策の日本語オリジナル問題を用意しており、サンプル問題は登録なしで読めます。
ステップ4:公式の練習評価と試験サンドボックスで仕上げる。Microsoftは無料の練習評価(プラクティス評価)をAZ-900の試験ページから提供しています。本番と同じ問題ではありませんが、問題の言い回しと難易度の感覚をつかむのに有効です。あわせて試験サンドボックスで画面操作を体験しておくと、初受験でもドラッグアンドドロップやホットエリアといった形式に面食らわずに済みます。腰を据えて学ぶなら、1日構成の公式コース「AZ-900T00-A: クラウドインフラストラクチャの概要」(日本語提供あり)もあります。
学習期間の目安は、IT実務経験がある方で15〜20時間、クラウドもITも初めての方で30〜40時間程度です(公式の数値ではなく、出題範囲の分量からの見積もりです)。1日1時間なら3週間から1か月半を見ておくとよいでしょう。
AWS認定クラウドプラクティショナー(CLF)とどちらを先に取るか
クラウドの入門資格としてよく比較されるのが、AWS認定クラウドプラクティショナー(CLF-C02)です。両者は「クラウドの一般論+自社サービスの概観+コストとセキュリティ」という構成がよく似ており、責任共有モデル、IaaS/PaaS/SaaS、リージョンと可用性ゾーン、従量課金といった中核概念は共通です。そのため片方を取った後の2つ目は、はるかに短い学習時間で到達できます。
選ぶ基準は明快で、勤務先や志望先が使っているクラウドに合わせるのが第一です。そのうえで決め手がない場合は、次の違いが判断材料になります。
| 項目 | AZ-900 | AWS CLF-C02 |
|---|---|---|
| 試験時間 | 45分 | 90分 |
| 問題数 | 非公表(40〜60問が一般的との案内) | 65問 |
| 認定の有効期限 | なし(更新不要) | 3年間(更新が必要) |
| 日本語受験 | 可 | 可 |
| 受験料 | 国・地域により異なる(公式サイトで要確認) | 100 USD(公式サイトで要確認) |
短時間で終わり、一度取れば更新の手間がかからないという点では、AZ-900のほうが取り回しは軽いといえます。逆に日本の求人数や案件数でAWSを重視するなら、CLFから入って早くAWSの土俵に乗るのも合理的です。どちらか一方が「上位互換」という関係ではないので、迷う時間が長引くくらいなら、範囲の狭いAZ-900を先に片付けて弾みをつけるのが実際的です。
よくある質問
AZ-900は日本語で受験できますか?
受験できます。Microsoft Learnの試験ページには、英語・日本語・簡体中国語・韓国語・スペイン語・ドイツ語・フランス語・インドネシア語・アラビア語・繁体中国語・イタリア語・ポルトガル語(ブラジル)・ロシア語での提供が記載されています。同じMicrosoftのFundamentals試験でも、AI-901のように英語のみで提供されるものがあるため、受験予約の前に必ず試験ページの提供言語欄をご確認ください。
AZ-900の合格ラインと問題数を教えてください。
合格スコアは1000点満点で700以上です(スケールスコアのため、正答率70%という意味ではありません)。試験時間は45分で、着席時間の目安は65分です。問題数はMicrosoftが試験ごとに公表しておらず、「ほとんどのMicrosoft認定試験には通常40から60の質問が含まれるが、この数は試験により変わる場合がある」と案内されているのみです。正確な情報は公式サイトでご確認ください。
IT未経験でもAZ-900に合格できますか?
可能です。AZ-900は出題範囲がすべて「〜について説明する」で構成された、用語と概念の理解を問う試験です(ただし公式の試験ページには「試験の一環として対話型コンポーネントを完了しなければならない場合があります」との注記があるため、試験サンドボックスで画面操作に慣れておくと安心です)。もっとも公式の受験者像には「インフラストラクチャの管理、データベースの管理、ソフトウェア開発といったIT分野でのスキルと経験が必要」と書かれており、IT用語に全く触れたことがない状態からだと用語の学習に時間がかかります。学習時間の目安は、IT実務経験がある方で15〜20時間、クラウドもITも初めての方で30〜40時間程度です(公式の数値ではなく、出題範囲の分量からの見積もりです)。
AZ-900とAWS認定クラウドプラクティショナー(CLF)は、どちらを先に取るべきですか?
業務や志望先で使うクラウドに合わせるのが基本です。決め手がない場合は、まずAZ-900から始めるほうが負担は軽くなります。試験時間はAZ-900が45分、CLFが90分・65問で、AZ-900のほうが短時間で終わります。またMicrosoftのFundamentals認定は有効期限がないのに対し、AWS認定は3年間有効で更新が必要です。両方取る場合、責任共有モデル・IaaS/PaaS/SaaS・リージョンと可用性ゾーン・従量課金といった概念は共通しているため、2つ目は短い学習時間で到達できます。
AZ-900の認定資格に有効期限はありますか?
ありません。Microsoftの認定資格更新ページには「基礎認定は期限切れになりません」と明記されており、更新評価を受ける必要があるのはアソシエイト・エキスパート・専門認定です。一度合格すればAzure Fundamentals認定は維持され続けます。ただし出題範囲そのものは随時改訂されるため、学習中の方は最新の学習ガイドをご確認ください。
AZ-900の問題演習はトキヌクで
トキヌクはAZ-900対策のオリジナル問題を全200問収録(30問は登録なしで無料)。全選択肢に「なぜ正解か・なぜ違うか」の解説付きで、弱点テーマに合わせた出題で効率よく仕上げられます。
AZ-900の演習を無料で始める →本記事は学習の参考情報であり、合格を保証するものではありません。試験の仕様(受験料・出題範囲等)は変更されることがあります。必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。本サービスは非公式の学習教材であり、各認定団体とは提携・承認・後援関係にありません。試験名は各団体の商標または登録商標です。
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