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AWS Certified AI Practitioner(AIF-C01)の勉強方法と試験対策

最終更新:2026-08-02

AIF-C01はどんな試験か

AWS Certified AI Practitioner(AIF-C01)は、AWSが提供する基礎(Foundational)レベルのAI/機械学習認定です。公式の試験ガイドでは、対象受験者を「AWS上のAI/MLテクノロジーに6か月程度まで触れた経験があり、AI/MLソリューションを使うが必ずしも構築はしない人」と定義しています。想定される職種としてビジネスアナリスト、ITサポート、マーケティング、製品・プロジェクトマネージャー、営業などが挙げられており、エンジニア以外にも広く開かれた試験です。

特徴的なのは、出題範囲外の作業が公式に明記されている点です。AI/MLモデルの開発・コーディング、データエンジニアリングや特徴量エンジニアリング、ハイパーパラメータチューニング、MLパイプラインの構築、数学的・統計的な分析などは「対象受験者に求められないタスク」とされています。つまりこの試験が問うのは、技術の実装力ではなく「何をどこで使うべきかの判断力」です。次のような方に向いています。

試験の基本情報

項目内容
正式名称AWS Certified AI Practitioner(試験コード AIF-C01)
レベルFoundational(基礎)
受験料100 USD(日本円の請求額は為替・地域により変動。最新価格は公式サイトで要確認)
問題数65問(うち採点対象は50問、15問は採点対象外の評価用。どれが対象外かは試験中に示されません)
制限時間90分
合格ライン100〜1,000のスケールドスコアで700以上(正答率70%という意味ではありません)
出題形式多肢選択(4択1正解)、複数選択(5つ以上から2つ以上)、順序選択(3〜5項目の並べ替え)、マッチング(3〜7個の組み合わせ)
採点方式補正的採点(セクションごとの合格は不要、全体で合格ラインを超えればよい)。未回答は不正解扱いで、当てずっぽうへのペナルティはなし
言語日本語を含む複数言語で提供(英語、日本語、韓国語、中国語、フランス語、ドイツ語など)
有効期限3年間

65問・90分は1問あたり平均約83秒です。基礎レベルとしては短くありませんが、順序選択やマッチングは1問に時間を取られやすいため、「読んで即答できる問題を素早く処理し、残り時間を重い形式に回す」進め方が有効です。複数選択・順序・マッチングはいずれも部分点がなく完全一致でのみ得点となる点にも注意してください。

合格スコア700はスケールドスコアであり、65問中何問正解すれば合格という単純な換算はできません。「700 = 70%」と誤解して余裕を見誤らないよう、演習では正答率に十分な上乗せを見ておくことをおすすめします。

上記は2026年8月時点の情報です。最新の情報は公式サイトでご確認ください。受験料・提供言語・出題形式・更新ポリシーは変更される場合があります。詳細は公式のAWS Certified AI Practitionerページ、出題範囲は公式試験ガイドをご参照ください。

【重要】2026年4月の試験ガイド改訂(バージョン1.1)

試験コードはAIF-C01のままですが、公式試験ガイドは2026年4月30日にバージョン1.1へ改訂されました(初版1.0は2026年3月26日)。試験コードが変わらないため見落とされがちですが、内容の変更は小さくありません。特に大きいのがエージェント型AI(agentic AI)の全面的な追加です。

改訂前に作られた教材や記事はこれらを含んでいないことがあります。学習前に公式試験ガイドの「Revisions(改訂履歴)」に目を通し、自分の教材がどのバージョンに対応しているかを確認してください。なおAIF-C02への改訂は2026年8月時点で公表されていません

出題範囲

出題範囲は次の5ドメインに分かれ、採点対象コンテンツに占める配分(%)が定められています。配分はそのまま学習時間の目安になります。生成AI関連の2ドメイン(ドメイン2+3)だけで52%を占めるのが最大の特徴で、従来型の機械学習より生成AIに寄った構成です。以下はバージョン1.1(2026年4月30日)の内容にもとづきます。

AIとMLの基礎(Fundamentals of AI and ML・20%)

AI・機械学習・深層学習・生成AI・エージェント型AIの関係、教師あり/教師なし/強化学習の違い、分類・回帰・クラスタリングといったタスクの種類、学習データと推論、推論の種類(バッチ・リアルタイム・非同期・サーバーレス)、過学習とバイアス、モデル評価指標(正解率・適合率・再現率・F1スコアなど)といった土台の用語が問われます。改訂で「従来型の機械学習モデルと基盤モデルのどちらが適切か」を規制・説明可能性・運用制約の観点から判断する目標も加わりました。あわせて、Amazon Comprehend(自然言語処理)、Amazon Rekognition(画像・動画分析)、Amazon Textract(文書からの抽出)、Amazon Transcribe(音声認識)、Amazon Polly(音声合成)、Amazon Translate(翻訳)、Amazon Personalize(レコメンデーション)、Amazon Lex(会話ボット)といった用途特化型AIサービスと使いどころの対応付けが頻出です。

この領域は暗記色が強く得点源にしやすいため、サービス名と一言説明のセットで確実に潰しておきましょう。

生成AIの基礎(Fundamentals of GenAI・24%)

基盤モデル(FM)、大規模言語モデル(LLM)、トークン、埋め込み(エンベディング)、プロンプトエンジニアリング、コンテキストウィンドウ、ハルシネーション(もっともらしい誤りの生成)、マルチモーダルといった生成AI固有の概念が中心です。ユースケースの適否(生成AIが向く場面・向かない場面)や、モデル選定時の考慮点(性能要件・制約・コンプライアンスに加え、改訂でコスト・レイテンシー・モデルの複雑さが明示されました)も問われます。トークン単位の料金モデルがコストと性能に与える影響、必要な情報をモデルに与えるコンテキストエンジニアリングも新たな出題対象です。

改訂で新設されたエージェント型AIの基礎概念はこのドメインの新しい山場です。複雑なアプリケーションにおけるマルチエージェント構成のパターン、エージェントを外部システムへつなぐModel Context Protocol(MCP)の役割、エージェント間の通信、メモリ管理、ツールの利用、ワークフローのオーケストレーションといった観点が挙げられています。実装力ではなく「何がエージェントを『エージェント』たらしめるのか」「単発のプロンプト応答と何が違うのか」を説明できる水準を目指してください。

生成AIアプリを作るためのサービスとしては、Amazon Bedrock(基盤モデルをAPIで利用するマネージドサービス)、Amazon SageMaker AI、Amazon SageMaker JumpStart、Amazon Q、Amazon Quick、Kiro、Strands Agents、Amazon Bedrock AgentCore が試験ガイドに名指しされています(Amazon Novaは基盤モデルのファミリー)。それぞれ「誰が・どの抽象度で使うものか」で整理すると混同しません。

用語が英語由来で数が多いため、「その語がないと説明できない現象は何か」をセットで覚えると定着します。たとえば「ハルシネーション」は単なる誤答ではなく、自信を持って事実でない内容を出力する現象を指す、といった具合です。

基盤モデルの応用(Applications of Foundation Models・28%)

配分が最大のドメインで、実務での使い分けが問われます。中心テーマはRAG(検索拡張生成)・ファインチューニング・プロンプトエンジニアリングの選択です。「社内文書を根拠に回答させたい」「モデルの文体や専門用語を変えたい」「まず低コストで試したい」といった要件に対し、どの手段が適切でコスト・運用負荷がどう違うかを整理してください。試験ガイドはカスタマイズ手法のコスト比較として事前学習・ファインチューニング・インコンテキスト学習・RAGに加え、改訂でモデル蒸留を挙げています。ベクトルストアや埋め込み検索の役割、Amazon Bedrock Knowledge Bases、Amazon SageMaker AIやSageMaker JumpStartとBedrockの位置づけの違いも範囲です。AIエージェントの役割とビジネス適用(多段のタスクをどう自動化するか)もここで問われます。

推論パラメータ(temperature、top-p、最大トークン数など)が出力にどう影響するか、改訂で追加されたAmazon Bedrock Prompt Management を使ったプロンプトのバージョン管理・運用も押さえておきましょう。モデル評価は人間を介在させた評価(human-in-the-loop)とベンチマークデータセット、Amazon Bedrock Model Evaluation が軸で、指標はROUGE・BLEU・BERTScoreに加えてLLM-as-a-judge(モデル自身に評価させる手法)が加わりました。さらにタスク完了率・ユーザー満足度・対話あたりコストといったビジネス目標との整合を測る指標も新規の出題対象です。ここが最大配分かつ最も差がつく領域です。

責任あるAIのガイドライン(Guidelines for Responsible AI・14%)

公平性・説明可能性・透明性・堅牢性・プライバシー・安全性といった責任あるAIの原則と、それを実現する仕組みが問われます。バイアスの発生源(学習データの偏り)と影響、モデルの透明性を高めるためのドキュメント(Amazon SageMaker Model Cards など)、Amazon Bedrock Guardrails(旧称 Guardrails for Amazon Bedrock)による有害コンテンツや機微情報のフィルタリング、人間によるレビューを組み込む考え方などが中心です。改訂では透明性・説明可能性を確認する手段として SageMaker Clarify と Amazon Bedrock Model Evaluations が、また説明可能なAIの人間中心設計の例としてユーザーからのフィードバックの仕組み・AIの判断の透明性が追記されました。

非エンジニアの方が最も取り組みやすい領域でもあります。技術的な深掘りより、原則の名前と「それが守られないと何が起きるか」を結び付けて理解するのが近道です。

セキュリティ・コンプライアンス・ガバナンス(Security, Compliance, and Governance for AI Solutions・14%)

AI/MLワークロードに責任共有モデルをどう適用するか、IAMによる最小権限、AWS KMSによる暗号化、Amazon Macieによる機微データの検出、AWS CloudTrail・AWS Config・AWS Audit Manager・AWS Artifactを使った監査証跡やコンプライアンス対応、データの保存場所や利用範囲に関する考え方が範囲です。AWS PrivateLink による経路の閉域化や、改訂で追加されたAmazon Bedrock Guardrails、AgentCore Identity、AgentCore の Policy といったエージェント側の統制手段も挙げられています。生成AI特有の論点として、入力したデータがモデルの学習に使われるのかというデータプライバシーの扱いや、出力の記録・監視も問われます。

改訂でセキュリティ・プライバシーの考慮点が大きく具体化された点に注意してください。プロンプトインジェクション、データ漏えいの防止、出力のフィルタリングと検証、AIとのやり取りに関する監査証跡・ログ要件、有害性(toxicity)が明示され、さらにハルシネーションの検出手法とグラウンディング(RAGによる根拠付け、出力の検証、確信度スコアリング)がこのドメインの目標として新設されました。「生成AIならではの壊れ方に、どの対策が効くのか」という対応付けで覚えるのが有効です。

CLFを取得済みであれば従来型のセキュリティ部分は重複が大きく、短時間で仕上げやすい領域です。ただし上記の生成AI固有の論点はCLFには含まれないため、そこだけは別枠で押さえてください。

CLFとの違い・併願戦略

AIF-C01とAWS Certified Cloud Practitioner(CLF-C02)は、いずれも基礎レベル・65問・90分・100 USD・有効期限3年と条件がほぼ揃っています。前提資格の関係はなく、どちらから受けても構いません。違いは扱う軸です。

AWS自体が初めての方はCLF → AIFの順が効率的です。AIFの出題範囲はIAM・S3・Lambda・責任共有モデル・料金モデルの基礎知識を前提としているため、CLFで土台を作っておくとセキュリティ・ガバナンスの14%がほぼ既習範囲になります。逆に、AWSの経験はあるが生成AIが未知という方はAIFから入って構いません。

両方を狙うなら、2〜3週間の間隔で連続受験するのが現実的です。重複領域の記憶が新しいうちに片付くうえ、どちらも90分と受験の負荷が軽いためスケジュールを組みやすくなります。

勉強法・学習ロードマップ

AIF-C01は「広く浅く、ただし生成AIだけは厚く」という試験です。学習期間の目安は、AI/MLがほぼ未経験の方で週5〜10時間を1〜1.5か月、業務で生成AIツールを使っている方で2〜3週間程度ですが、公式に推奨学習時間の定めはありません。「模擬演習で安定して合格水準を超えているか」を受験時期の判断材料にするほうが確実です。

ステップ1:AIと生成AIの用語地図を作る

最初にやるべきは、AI・機械学習・深層学習・生成AI・基盤モデル・エージェント型AI包含関係と違いを一枚で言えるようにすることです(改訂後の試験ガイドは、これらの類似点と相違点を説明できることを明示的に求めています)。ここが曖昧なままサービス名の暗記に進むと、「この課題にBedrockとSageMaker AIのどちらを使うか」といった判断問題で崩れます。生成AIサービスを実際に触った経験があるなら、その体験を用語に紐付けていくと理解が速く進みます。

ステップ2:公式の無料リソースで範囲を埋める

出題範囲に沿って知識の抜けを埋めます。優先すべきは一次情報です。

試験ガイドの出題対象サービス一覧は必ず一度目を通してください。サービス名が改称されたり新しいサービスが追加されたりするため、古い教材だけで学習すると現行の範囲とずれるおそれがあります。

もう一点、2026年に固有の注意があります。AWSは2026年6月30日にサービス提供方針の見直しを公表し、Amazon Kendra や Amazon SageMaker Clarify などがメンテナンスモードへ移行して2026年7月30日以降は新規のお客様が利用できなくなりました。一方でこれらはAIF-C01の試験ガイドには引き続き記載されており、出題される可能性があります。つまり「試験対策としては用語と用途を押さえるが、新規アカウントでは手を動かして試せない」という状態です。ハンズオンで理解を深めたい場合は、Amazon Bedrock Knowledge Bases など現行の代替サービスで学ぶのが現実的です。サービスの提供状況は変わるため、AWSのサービス提供状況に関する公式アナウンスもあわせてご確認ください。

ステップ3:問題演習で「選べる形」に変える

解説を読んで分かったつもりでも、似た選択肢を並べられると選べない——これは資格学習で最も起きやすいギャップです。特にAIF-C01は「RAGかファインチューニングか」「BedrockかSageMaker AIか」のようにどれも間違いではないが最適解は一つという問い方が多く、演習でしか鍛えられません。範囲を一巡した直後から演習に入り、正答率よりも間違えた問題について「なぜ他の選択肢が最適ではないのか」を説明できるようにすることを重視してください。

トキヌクでもAIF-C01向けのオリジナル問題を220問(うち30問は無料)提供しています。AIF-C01の問題演習ページから始められ、無料サンプル問題では解説まで含めて事前に内容を確認できます。演習教材を選ぶ際は、実試験の問題を流用していないことと、誤答選択肢にも解説があることを基準にすると選びやすくなります。

ステップ4:仕上げ(直前1週間)

本番を想定した65問・90分で通しの模擬演習を行い、時間配分を確認します。合格水準に届かない場合はドメイン別の正答率を見て、配分の大きい生成AI関連(ドメイン2・3で計52%)から優先的に復習してください。あわせて、複数選択・順序・マッチングは部分点がないため、確信の持てない問題に時間を溶かさず後回しにする判断の練習もしておくと安心です。

上位資格への道筋

AIF-C01の後は、進みたい方向によって二つの選択肢があります。

AIF-C01からAIP-C01へは実務経験の要求水準に大きな差があるため、間にMLA-C01やDeveloper - Associateを挟むか、生成AIアプリの構築経験を積んでから挑むのが現実的です。なおAWSの認定に受験資格の前提条件はなく、順序は推奨にすぎません。

よくある質問

非エンジニアでもAIF-C01に合格できますか?

AIF-C01は基礎(Foundational)レベルの認定で、モデルの実装やコーディングは出題範囲外と公式に明記されています。ビジネスアナリスト、企画・マーケティング、営業といった職種の方も対象読者に含まれており、AI/生成AIの用語と使いどころを整理できれば十分に狙えます。ただしAWSの主要サービスや責任共有モデルの基礎知識があると学習は楽になります。

AIF-C01の学習時間の目安はどれくらいですか?

AI/機械学習にほぼ触れたことがない方で週5〜10時間を1〜1.5か月、業務で生成AIツールを使っている方で2〜3週間程度が一つの目安です。ただし公式に推奨学習時間の定めはないため、期間よりも「5ドメインを一通り埋め、模擬演習で安定して合格水準に届いているか」を受験時期の判断材料にしてください。

CLFとAIFはどちらを先に受けるべきですか?

どちらも基礎レベルで前提資格の関係にはないため、順序は自由です。AWS自体が初めてならCLFで用語とサービスの土台を作ってからAIFへ進むと、IAM・S3・料金モデルといった前提の説明を省けて効率的です。逆にAI活用が直近の業務課題であればAIFから入っても問題ありません。

AIF-C01は日本語で受験できますか?受験料はいくらですか?

日本語を含む複数言語で提供されています。受験料は100 USDで、日本円での請求額や税の扱いは為替・地域によって変わるため、申し込み前に公式サイトで最新価格をご確認ください。

AIF-C01を取った後は何を目指せばよいですか?

実装側へ進むならAWS Certified Machine Learning Engineer - Associate(MLA-C01)、生成AIアプリの開発を担うならAWS Certified Generative AI Developer - Professional(AIP-C01)が次の目標になります。なおAWSはMLA-C01の取得によってAI Practitionerの認定も自動的に更新されるとしています(更新条件は変更される場合があるため公式サイトでご確認ください)。

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本記事は学習の参考情報であり、合格を保証するものではありません。試験の仕様(受験料・出題範囲等)は変更されることがあります。必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。本サービスは非公式の学習教材であり、各認定団体とは提携・承認・後援関係にありません。試験名は各団体の商標または登録商標です。
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